14歳藤井四段、デビュー17連勝!前代未聞シフトで報道陣さばく

[ 2017年5月13日 05:30 ]

 将棋の最年少プロ棋士、藤井聡太四段(14)が12日、大阪市福島区の関西将棋会館で指された王将戦(主催スポーツニッポン新聞社、毎日新聞社)1次予選で西川和宏六段(31)に勝ち、自身の持つプロ公式戦デビュー後の連勝記録を17に更新した。中学生による史上初めてとなるタイトルホルダーを目指して現在、王将戦、竜王戦などで予選の真っ最中。連勝記録とともに、最年少タイトル獲得に向けた挑戦も続けている。

 アマチュアの強豪相手に、8日前に大苦戦したのと同じ対局場。だが、この日は別人だった。84手で終局。後手番から持ち前の鋭い攻めで、持ち時間3時間の半分近くを余す圧勝劇。終局後はカメラの放列を前に「注目される一番で指せるのはうれしい」と、笑顔を浮かべる余裕も見せた。

 羽生善治3冠(46)ら4人が記録している歴代7位タイの連勝18にも、プロデビューからわずか5カ月で王手をかけた。奨励会時代に指導を受けた“兄貴分”の西川には「勝負にならなかった」と言わしめた。

 師匠の杉本昌隆七段(48)はスポニチ本紙の取材に「西川さんに勝ったのはいわば恩返し」と称賛。「持ち味の踏み込みの良さと、終盤力が表れた。荒々しさ、野性味が出てきたと思います」と弟子の成長ぶりを語った。

 藤井の注目度は将棋界を飛び出し、テレビのワイドショーでも連日取り上げられるほど。この日もテレビカメラ14台を含む報道陣約40人が集結した。杉本は藤井の現在の様子について「最初の頃は“もっと将棋を勉強する時間が欲しい”と母親に言っていたようだが、最近は弱音もなくマイペースでやっています。それほど抵抗は感じてないようです」と明かした。

 日本将棋連盟も異例の対応をとった。終局後、感想戦と呼ばれる対局者同士の“反省会”を開いた後に、対局場や控室で取材に応じるのが通常の流れ。この日は別室に移動させて質疑に応じるという「前代未聞」(ベテラン将棋記者)の“藤井シフト”だった。

 7日に地元・愛知県で開かれた将棋まつりの公開対局で、非公式戦とはいえ豊島将之八段(27)に敗れたが「落ち込むというより、自分の弱点が分かった。いい経験になった」ときっちり修正した。中学生による史上初めてのタイトルホルダーになる可能性のあるのは王将戦と竜王戦、棋王戦。現在、3つの予選をいずれも戦っており、その行方も今後、注目度を増していきそうだ。

 次回は18日、若手棋士による加古川青流戦の開幕戦で竹内雄悟四段(29)と対戦する。

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2017年5月13日のニュース