光浦靖子「直虎」で味のある“和ませ役” 特技の手芸で大河ならではの苦労も

[ 2017年4月9日 08:00 ]

「おんな城主 直虎」のワンシーン。(左から)なつ役の山口紗弥加、あやめ役の光浦靖子、しの役の貫地谷しほり(C)NHK
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 女性お笑いコンビ「オアシズ」の光浦靖子(45)がNHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」(日曜後8・00)の“おんな城主編”から出演。場の空気を柔らかくする“和ませ役”で味を出している。演じるのは井伊直親(三浦春馬)の正室しの(貫地谷しほり)や嫡男虎松(寺田心)の面倒を見る女性、あやめ。生き方が真逆で度々衝突する、しのと主人公・直虎(柴咲コウ)双方に気遣う場面もあり「あやめは2人の仲介役」と笑う。初出演となる大河への思いや、特技の手芸で苦戦した撮影秘話を語った。

 あやめは今川家臣でありながら井伊家に忠誠を尽くした新野左馬助(苅谷俊介)の娘3姉妹の長女で、父亡き後の新野家を取りしきる。新野の屋敷で次女・桔梗(吉倉あおい)、三女・桜(真凛)と暮らし、新野家に身を寄せることになった虎松(のちの直政)らの面倒をみることになる。

 新野家を背負ったあやめについて「家を守っていこうという気持ち。自分が男の子を産めよという話なのですが、どうやら婿が来なさそうな感じで…。そこは台本でモヤーっとしていて触れていないのですが」と冗談めかしてから「妹たちを名家に嫁がせなきゃという思いがある。家を守るというのはそういう役目なのかなと。親ではないけど、妹たちに対してそういう気持ちを持っている。お嫁に行ってほしいし、でも、行ったら寂しいし…というお父さんみたいな感じなのかな」と家長を担う女性の心境を説明した。

◆直虎&しの仲介役「頭では直虎を理解、ハートでは…しの」

 2日放送の第13話「城主はつらいよ」から本格的に“新章”に突入。おんな城主として虎松の後見人となり奮闘する直虎だが、しのとは相容れない関係が続く。直虎は直親の“元カノ”のような存在で、しのにとっては夫と息子をめぐる戦いになっている。ことあるごとに激しくぶつかり合う2人に対して、あやめは分け隔てなく穏やかに接する。「あやめは仲介役」という光浦が、女性目線で捉えた2人の人物像分析が面白い。

 「しのさんは少々やきもち焼きですが、しょうがないですよね。男の取り合いをしていますから。(直親と直虎の)プラトニックラブって女性からしたら一番腹立つもの。一度くらいの浮気なら逆に許せるけど“ずっとプラトニックかい!”という気持ちがある。しのさんがあれだけイライラするのも分からないでもないなと。あやめ的には“そんなにイライラしなくても”と思いますが“まあまあ、しょうがないじゃない”という感じかな。あやめは一緒に住んでいるので、しのに情が湧いてしまったと思うが、そこまで(虎松を)独り占めしなくてもねえ。一夫一妻制の時代じゃないですし。もうちょっと譲りなさいという気持ちも持ちつつですが…。客観的に見たら、直虎の方が正しいことをやっているかなと思う。虎松には井伊家の将来を背負ってもらわないといけないので。直虎の方が正しいことやっているなと思いつつですよね。まあ、プラトニックラブはいつの時代も嫌じゃないですか。だから、頭では直虎が理解できて、ハートではしのの気持ちが理解できてみたいな感じです」

◆現代刺しゅうとは“別物” 糸のさばき方の表現「難しい」

 女性中心の世界で、画面から華やかさが伝わってくる新野家。自身の“ライフワーク”である手芸を披露する場面があるが、現代刺しゅうとは“別物”だったという。「(指導の先生から)糸のさばき方とか手の動きを習いました。絹糸なので難しい。劇中“こなれた人の糸のさばき方”という表現が求められるのですが、緊張しちゃうと手に汗をかいてサラサラの絹糸が湿って引っかかってしまう。手芸は家でリラックスしてやるもの。カメラの前でやるとプレッシャーがあり、糸が引っかかってしまって…。“リハはうまくいくんですよ”と言い訳をしながらやりました」と笑う。大河ならではの苦労があったようだ。

 読書芸人としても有名だが、戦国時代を扱った小説は「実は全然読んでいないのです。学生のときから歴史があまり得意じゃなくて…。苦手意識がある」と告白。歴史話より架空話の本に食指が動くというが「今作で扱う直虎は、史実としての情報が少ない。逆にとっつきやすかった。ミニマムな話の部分がいい。“お金が足りない、どうする?”と工面に奔走したり面白いです」と物語の内容に太鼓判を押した。

 「実家の親が楽しみにしている」という大河初出演。「放送開始後に“出るの?”と聞かれたので“出るよ”って答えた。でも予想通り“出てないじゃん”って。(出番は)まだだねえって話をしました」と微笑ましい遣り取りを披露した。柔らかい存在感で撮影現場、そして物語を和やかに彩っている。

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