渡哲也 弟・恒彦さんと無言の別れ 棺の中じっと見つめ…

[ 2017年3月18日 05:30 ]

渡哲也(2015年撮影)
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 14日に多臓器不全のため72歳で亡くなった俳優の渡瀬恒彦さんの葬儀・告別式が17日、都内の寺院で近親者による家族葬として営まれた。関係者によると、30人ほどが参列し、兄で俳優の渡哲也(75)は、棺の中の亡きがらをじっと無言で見つめて最後の別れをしたという。

 生前好きだったというラン科の花「オンシジューム」に取り囲まれた棺に横たわった渡瀬さん。渡は別れの言葉をかけることはなく、同行した関係者は、「涙をこらえているように見えました」と話す。

 16日に直筆の文書で、「弟を失いました。この喪失感は何とも言葉になりません」とショックの大きさを吐露していた。加えて15年6月に発症した急性心筋梗塞と肺気腫などの呼吸器疾患のため、現在は自宅療養中。ただ、この日は周囲に落胆した様子は一切見せず、親族らに声を掛けるなど気丈に振る舞っていたという。歩行の際にも介添えやつえなどを使わず「しっかりした足取りで参列されてました」(関係者)。決して万全の体調ではない中、弱みを見せることなく弟を送った。

(戒名はなく/) 渡瀬さんの遺体はこの日午前11時10分ごろ、喪主で妻のい保(いほ)さんら家族や関係者らの手で自宅から運び出され、都内の寺院に向かった。喪服姿のい保さんはつえを突きつつも涙を見せることなく、霊きゅう車の助手席に乗り込んだ。

 所属事務所によると、同所での葬儀を終えたこの日午後4時すぎ、遺体は都内の斎場で荼毘(だび)に付された。小規模での葬儀は「派手なことを好まなかった故人と、それを尊重するご家族の意思が働いたもの」(関係者)という。京都時代から親交の深かった俳優仲間の片桐竜次(69)成瀬正孝(67)不破万作(70)木村栄(62)中西良太(64)も一緒に見送った。

 遺影は昨年1月に、い保さんの誕生日の際に撮影されたものが使われた。棺には家族からの手紙と、家族旅行などで撮影した一家の写真が納められ、最後まで家族の愛に包まれた旅立ちとなった。戒名はつけられなかったという。

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