NHK受信料月50円値下げ提案へ 籾井会長、午後の経営委で

[ 2016年11月8日 12:07 ]

 NHKの籾井勝人会長ら執行部が、来年10月から受信料を月額約50円値下げする案を、8日午後の経営委員会に示すことが分かった。総務省も受信料引き下げの検討をNHKに求めているが、経営委側は、今後の放送設備費が見通せないなどとして慎重に議論を進める見通し。

 関係者によると、NHKの受信料収入は2014年度と15年度、2年連続で過去最高を記録。20年着工を予定している放送センター建て替えの建設計画がまとまったことから、執行部が収支を見直した。その結果、システム改修の時間を踏まえ、年間の受信料収入の約3%(約200億円)を来年10月から減額できると判断した。一世帯当たり月額約50円に相当するという。

 籾井会長は10月の定例会見で「収支で余りが出ると受信料を頂いた皆さまにお返しするのは当たり前」と、値下げに意欲を示していた。経営委からは、スーパーハイビジョンへの設備投資などから「相当難しい。もうちょっと検討が必要では」(石原進委員長)と慎重な意見が出ていた。

 受信料を巡っては、高市早苗総務相が「引き下げも含めた還元策を検討してほしい」などとNHKに要望。業務や経営の在り方についても改革が必要との認識を示している。受信料は12年10月に最大で月額120円引き下げられている。

 総務省は、NHKのテレビ番組のインターネット同時配信を見据え、ネット視聴者から料金を集める仕組みに関しても議論を進める。最高裁大法廷も、受信料制度に関する放送法の規定の合憲性について、来年中に初の判断を示すとみられる。

 現在の受信料は地上契約で月額1260円(口座・クレジット払い)。

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2016年11月8日のニュース