劇団「維新派」主宰・松本雄吉さん死去 壮大な野外劇が高く評価

[ 2016年6月19日 14:50 ]

劇作家・演出家の松本雄吉さん

 壮大な野外劇で知られる劇団「維新派」の主宰で劇作家・演出家の松本雄吉(まつもと・ゆうきち)さんが死去したことが19日、分かった。69歳。熊本県出身。

 18日午前3時25分、食道がんのため大阪市の病院で死去。葬儀・告別式は劇団の有志で営んだ。

 大阪教育大学で美術を専攻。1970年、大阪を拠点とする「維新派」を結成。 91年、東京・汐留コンテナヤードで巨大野外公演「少年街」を行い、関西弁を生かした独自のスタイル「ヂャンヂャン☆オペラ」を確立した。

 野外にこだわり、観客とともに旅をする「漂流」シリーズを企画。奈良・室生、岡山の離島・犬島などで公演を行い、高く評価された。

 代表作は、犬島の銅精錬所跡地内に劇場を建設した「カンカラ」、びわ湖上に作った“びわ湖水上舞台”が話題になった「呼吸機械」など。近年は外部公演として寺山修司原作の舞台「レミング~世界の涯まで連れてって~」の演出・上演台本を務めるなどした(2013年=出演・常盤貴子ら、15年=出演・溝端淳平ら)。11年に紫綬褒章を受章した。

 松本さんが14年に演出した「十九歳のジェイコブ」(原作中上健次)の脚本を務めた劇作家・演出家の松井周(43)は主宰する劇団サンプルのツイッターで「松本雄吉さんの訃報を聞いてから、呼吸が浅いです。また会えると思ってたし、会いたかった。さようなら。夢で会いましょう」と追悼した。

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