蜷川幸雄さん 稽古で灰皿投げた アイドル起用 藤原竜也や宮沢りえ育成

[ 2016年5月12日 17:30 ]

演出家の蜷川幸雄さん

 日本を代表する演出家の蜷川幸雄(にながわ・ゆきお)さんが亡くなったことが12日、分かった。80歳。埼玉県川口市出身。

 井上ひさし氏、清水邦夫(79)唐十郎(76)野田秀樹(60)らの現代劇から、シェークスピアやギリシャ悲劇など海外の古典・近代劇に至るまで多岐にわたる作品を演出した。83年「王女メディア」のギリシャ・ローマ公演を皮切りに、海外公演も多数。海外からも高く評価され「世界のニナガワ」と呼ばれた。

 スパルタな稽古で知られ、役者に灰皿を投げつけたエピソードは有名。

 人気アイドルを多数、起用したのも特徴。SMAPの木村拓哉(43)は1989年「盲導犬」、男闘呼組の岡本健一(46)高橋和也(46)は90年「ペール・ギュント」、少年隊の錦織一清(50)東山紀之(49)植草克秀(49)は90年「MASK仮面」に出演。嵐の二宮和也(32)は映画「青の炎」の主演を務め、昨年はKAT―TUNの亀梨和也(30)が「青い種子は太陽のなかにある」に主演した。

 1997年には「身毒丸」の主役に当時15歳の藤原竜也(33)を抜擢。その後、藤原とは「唐版 滝の白糸」「近代能楽集~弱法師~」「ハムレット」「ロミオとジュリエット」「天保十二年のシェイクスピア」「オレステス」「ムサシ」「下谷万年町物語」「日の浦姫物語」「ジュリアス・シーザー」など数多くのタッグを組んだ。

 近年は「下谷万年町物語」「盲導犬」「火のようにさみしい姉がいて」「海辺のカフカ」「元禄港歌」など、宮沢りえ(43)を起用。舞台女優に育て上げた。

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