“門下生”蜷川さん追悼続々 小栗旬沈痛 7年ぶりタッグ叶わず「また叱って…」

[ 2016年5月12日 20:25 ]

小栗旬

 日本を代表する演出家の蜷川幸雄(にながわ・ゆきお)さんが12日午後1時25分、肺炎による多臓器不全のため亡くなった。80歳。埼玉県川口市出身。蜷川さんの薫陶を受けた“門下生”から悲しみの声が相次いだ。

 「ハムレット」「お気に召すまま」「間違いの喜劇」「タイタス・アンドロニカス」「カリギュラ」「ムサシ」など、多くの蜷川さん演出作品に出演した俳優の小栗旬(33)は所属事務所を通じて追悼コメントを発表。「正直、まだ現実を受け止められないでいます」と沈痛な思いを記した。

 2009年の「ムサシ」以来、7年ぶりの公演が今秋に予定されていた。「ついにまたご一緒できる。叱っていただけると心のそこから楽しみにしておりました」と再タッグが叶わず、残念がった。

 「ご冥福をお祈りいたします。でも、つらいです。『おい!小栗。何やってんだよ!』という声が聞こえないのは」と寂しがった。

 14年「わたしを離さないで」に出演した女優の木村文乃(28)は「蜷川さんにご指導いただいたことで、役者としての在り方がグッと変わりました。もし『わたしを離さないで』で鈴という役を頂いていなければ、蜷川さんにご指導いただいていなければ、その後の私はありません。それはとても幸せで、とても貴重で、どれだけ感謝してもし切れない一生の宝物で、今はただ思い返し、温めることしかできず、それをお伝えすることができなくなってしまったことが、ただただ悔しいという思いです」と感謝した。

 14年に「太陽2068」に出演した俳優の綾野剛(34)は「『君の魅力と孤独な部分を理解できるような爺さんでありたい。また必ず一緒に仕事をしよう』。そうおっしゃっていただいたことが、何よりその言葉が私の中で生き続けています」と悼んだ。

 09年に9時間に及ぶ大作「コースト・オブ・ユートピア」に出演した俳優の池内博之(39)は「今の自分があるのは蜷川さんのおかげと言っても過言ではありません。稽古場ではたくさんのダメ出しを頂き、たまには褒めてもくれましたね。たくさんの感動をありがとうございました。ゆっくりお身体を休めてください」としのんだ。

 俳優の田辺誠一(47)は27歳の時、初舞台「草迷宮」で主演。「グリークス」「近松心中物語」と蜷川さん演出作品に出演した。ツイッターで「とことん鍛えられ、俳優としての基礎を作っていただきました。もらった言葉を心の糧にして『危機感を持って』芝居を追求したいと思います」と誓った。

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2016年5月12日のニュース