主演映画初日、黒木華「幸せの限界が来そう」 綾野剛が司会担当

[ 2016年3月26日 17:06 ]

映画「リップヴァンウィンクルの花嫁」初日舞台あいさつでねこかんむりをかぶって笑顔を見せる綾野剛(左)と黒木華

 女優の黒木華(26)が主演する映画「リップヴァンウィンクルの花嫁」の初日舞台あいさつが26日、都内の映画館に行われ、黒木をはじめ、綾野剛(34)、Cocco(39)といった主要キャストが登壇した。この日は登壇者側の意向で、MCを立てず。当初は岩井俊二監督(53)自らが司会を務める予定だったが、監督たっての希望で“何でも屋”を演じた綾野が「分かりました、何でも屋ですからね!」とマイクを持ち、司会を担当し、会場を盛り上げた。

 SNSで知り合った男と結婚するも、彼の浮気で義母に家を追い出された主人公の派遣教員・七海(黒木)がさまざまな出会いや経験を通して成長していく姿を描く物語。綾野から初日を迎えた感想を尋ねられた黒木は「感無量です。本当にここまでくるのが長くて、いつもは苦しい思いをすることが多いんですけど、この現場は岩井さんが私のことを考えてくれて、最初は不安だったけど、幸せな時間でしかなかった。一人じゃなくて、七海をやれたこともすごい幸せでしたし、こんな幸せな映画をたくさんの方に見てもらえることだけで、幸せの限界が来そうです」と満員の観客を見渡した。

 岩井監督の「リリィ・シュシュのすべて」を見てから「本当に憧れていた監督。その自分を構成している一部の監督とまさか自分が中心となっていろんな人とやるなんて、幸せでしかなかった」と話した黒木。「もう本当に幸せだなという言葉しか浮かばない。こうやって見てくれる人たちのおかげで成り立つんだと思う。七海ちゃんは普通の子なので、人生ってこんな感じなんだな。ああ、うまいこと言われへん」と照れ笑いを浮かべ、幸せすぎる状況をかみ締めた。

 綾野自身も「『リリィ―』と『スワロウテイル』を見て、ずっとこの世界にいたいという感覚があった。当時好きだった『エヴァンゲリオン』を同じ虚無感、閉塞感があって、何かをごっそり抜かれた感があった。ごっそり抜いてくれたきっかけの作品だったので、岩井さんの作品には出演したいと願っていた」と念願の出演だったことを告白。「約12年ぶりの岩井組の作品に出演できることがとにかくうれしかった」と続けた。

 七海と奇妙な共同生活をすることになる女性を演じたCoccoは「20年近く音楽をやってきたご褒美だと思う。とっても幸せな、楽しい時間でした」と撮影を振り返った。13歳の時にテレビで岩井作品に触れてから「会いたい」と願ってきたといい、「やっと会えた。かなうことってあるんだなという出来事でした」と喜んだ。

 イベント中、突然挙手して「全員の出演者と会っているのが華ちゃんだけ。華ちゃんはみんなに会っているのがすごいなと」と舞台裏を明かしたCocco。黒木も「打ち上げでみんなを紹介していたんですよね」と振り返るとと、綾野も「プロデューサーみたいだった」と同調し、笑いが起こった。

 そんな自身への熱い思いを持つ出演者を前に、岩井監督も「(クランクインから)足掛け1年強、ようやくここまで辿りつけたなと。ようやく完成して、ふつつかな娘を嫁にやるという日でもある。一人ひとりが新郎としてふつつかな娘を末永くよろしくお願いします」と作品の旅立ちに感謝した。

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