ジャ・ジャンクー監督 80年代音楽を愛好「山口百恵もよく聴く」

[ 2016年3月3日 18:26 ]

来日会見を行った「山河ノスタルジア」のジャ・ジャンクー監督(右)とチャオ・タオ

 昨年のカンヌ映画祭コンペ部門に出品された中国・日本・仏合作「山河ノスタルジア」(4月23日公開)のジャ・ジャンクー監督と主演女優のチャオ・タオが3日、都内で来日会見を行った。

 カンヌで脚本賞を受賞した「罪の手ざわり」以来2年ぶりの新作。ジャ監督は、「中国社会の急激な経済発展の影響を受けた人々の話。前作では暴力を顕在化させたが、今回は一般の人々の感情の変化を描いた。前作と非常に違うと見られるが、同じ構想を違った視点でとらえているだけ」と説明した。

 小学校の女性教師タオが、幼なじみとの結婚、離婚による一人息子との別れを通して過去、現在、未来の中国を見据えた一大叙事詩。1999年の冒頭と2025年のラストでは、ペット・ショップ・ボーイズのヒット曲「ゴー・ウエスト」が象徴的に使われており、「僕が若い頃、ディスコに行くと皆に歓迎された人気の曲。前へ進んでいこう、何かが変えられるという歌詞が的確だと思った。僕は今の流行歌より80年代の歌に深い情感があると思う。山口百恵もよく聴くよ」と話した。

 25~50歳を一人で演じきったチャオは、「若い頃の身体機能と、その若さが失われていく精神的な部分を入れ替えるような表現で演じた。大きなチャレンジでした」としみじみ。そして、「一人一人の心の中に深い感動が届くことを祈っています」と訴えていた。

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2016年3月3日のニュース