巳之助 父・三津五郎さんと共演のシネマ歌舞伎公開に感激「うれしく思う」

[ 2016年2月13日 12:04 ]

シネマ歌舞伎「喜撰」「棒しばり」の初日舞台あいさつを行った巳之助(左)と彌十郎

 歌舞伎俳優の坂東巳之助(26)と坂東彌十郎(59)が13日、シネマ歌舞伎「喜撰」「棒しばり」が封切られた東京・築地の東劇で舞台あいさつを行った。

 今月21日に一周忌を迎える坂東三津五郎さんが得意としていた2演目で、特に「喜撰」は最も大事にしていた大和屋ゆかりの踊り。上映された2013年の歌舞伎座公演が最後になり、長男の巳之助は「(小道具の)花錫杖(はなしゃくじょう)を死んだら棺おけに入れてくれと元気な頃から言っていた」と振り返った。

 同公演は前歌舞伎座の閉場記念だったこともあり、「父の背中の向こうに見える客席の先のちょうちんをよく見ておこうと思ったのを覚えている。でも、新しい歌舞伎座が全く同じだったので、何だよってなった」と苦笑。それでも、これまでシネマ歌舞伎23作品中、10本に選ばれている父の功績に思いをはせ、「こんなに大きな劇場にたくさんのお客さまにいらしていただいて、うれしく思っています」と満場の観客に感謝した。

 一方の「棒しばり」は、三津五郎さん、故中村勘三郎さんと彌十郎の3人芝居。彌十郎は、「2人とは同世代だけれど、僕は役者になったのが遅かったからいつかやりたいと思っていた。お声がかかって、初日を迎えた時の感動は今でも覚えている」としみじみ語った。

 昨年8月の納涼歌舞伎では、勘三郎さんの長男の勘九郎(34)、巳之助と共演。「初日に、振り返った時にみっくん(巳之助)の顔が見えた時はグッときちゃった。それまで何度も稽古をしているのにですよ」と、幼少の頃から知る巳之助の成長に目を細めていた。

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2016年2月13日のニュース