ちゅらさん「おばぁ」の平良とみさん死去 87歳、呼吸不全で

[ 2015年12月7日 05:30 ]

06年12月、NHK「ちゅらさん4」について語る(左から)平良とみさん、国仲涼子、田中好子さん

 NHK連続テレビ小説「ちゅらさん」の「おばぁ」役で知られる女優の平良とみ(たいら・とみ、本名平良トミ子=たいら・とみこ)さんが6日午前4時27分、敗血症による呼吸不全のため沖縄県那覇市内の病院で死去した。87歳。同市出身。告別式は8日午後2時から、那覇市銘苅3の22、サンレー那覇北紫雲閣=(電)098(865)3030=で。喪主は夫で俳優の平良進(すすむ)氏(80)。

 所属事務所によると、今年に入って体調を崩し入院。一時は回復したが、数日前に容体が急変し家族が見守る中で息を引き取った。俳優でもある夫の平良進は「これからも後輩のためにも頑張りたいというのが口癖でした」とコメントした。

 石垣島で生活していた13歳の時、学費を稼ぐため劇団「翁長座」に入団。「ときわ座」「潮」を経て、夫婦で「劇団綾船」を旗揚げ。20代後半の頃から老け役を得意とし、沖縄芝居の第一人者となった。巡業生活をしながら4子を育てた。

 99年の映画「ナビィの恋」に主演し注目を集めた。映画関係者は「穏やかな方でいつもニコニコされていた。当時は舞台を中心に活動しておられた。映画では可愛くて味のあるお芝居でした」と話した。01年には「ちゅらさん」でヒロイン(国仲涼子)の祖母「おばぁ」を演じ全国区の人気に。1メートル35ほどの小柄な容姿と親しみやすい人柄で愛され、同年のNHK紅白歌合戦で審査員を務めた。「ちゅらさん」は07年まで4作が放送される人気シリーズとなった。

 最後の仕事は、昨年9月の舞台「五人の母」。近年はウチナーグチ(沖縄言葉)の普及に努め、沖縄の習慣や言い伝えを語るCDを発売するなど伝統を守り続けた。昨年、旭日双光章を受章し「(芝居を)息があるまで続けたい」と話していた。

 ◆平良 とみ 1928年(昭3)11月5日生まれ、沖縄県那覇市出身。翁長座の後輩だった進さんと1950年に結婚。夫婦ともに沖縄県指定無形文化財「琉球歌劇」保持者に認定されている。03年に沖縄県功労者として表彰された。主な出演作は、ドラマはNHK「つるかめ助産院~南の島から~」(12年)、映画「ホテル・ハイビスカス」(02年)など。著書に「ちゅらおばぁのなんくるないさ」などがある。

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