鈴木亮平 体重30キロ増「俺物語!!」引き受けたワケ

[ 2015年11月1日 10:00 ]

インタビューに答える鈴木亮平

鈴木亮平インタビュー(上)

 「偽装」「改ざん」の文字がニュースに並ぶ昨今、俳優鈴木亮平(32)の体重コントロールは本当の話だ。得意の肉体改造で、31日に公開された映画「俺物語!!」(監督河合勇人)で演じる巨漢の高校生は「身長2メートル、体重120キロ」という設定。作品にリアリティーを出すため、甘いパンを食べまくってわずか40日で前作から30キロもの増量を成し遂げた。“日本のデニーロ”の鬼気迫る役作りへの思いを聞いた。

 減量も増量も苦しい。自分の体重をコントロールすることがいかに大変か。身をもって知る人は多いはずだ。しかも、短期間で数十キロ単位で肉体を改造するなんて…。

 それを一見、簡単にやってのけるのが、この異色俳優。

 「なぜ引き受ける?…というかですね、断るほど仕事に恵まれてない(笑い)。そんな余裕がないんです」

 柔和なまなざしで謙遜する姿からは、徹底的に自身を追い込む厳しさをみじんも感じさせない。

 身長1メートル86で普段の体重は76キロほど。それが作品によって変わっていく。2013年の映画「HK/変態仮面」では、筋肉質の変態仮面を演じるため、ご飯を食べまくって15キロ増量。そこから、筋トレで脂肪を落として8キロ減量した。翌14年の映画「TOKYO TRIBE」では1日8食の生活にして体重を91キロにし、レスラー並みのギャングに変身。TBSで今年4~7月に放送した前作のドラマ「天皇の料理番」では、闘病の末に亡くなる設定のため収録中徐々に減量し、最終的に体重を56キロに落とした。げっそりこけた頬は徹底した役作りとして話題を呼んだ。

 そして今作は超人的な増量に成功。「甘いパンを食べまくりました。起きてる間は常に満腹にして、プロテインを飲んで筋肉をつけるようにしました。見た目を大柄にする必要があったので、首の筋肉を重点的に鍛えました」

 思うように増量できない時期もあった。「きつくないと言えばウソになる」。厳しい仕事をあえて受けた理由は何だろう。「ぼくにとっては人生に一度のチャンス。どうしてもつかみたかった」。

 原作は人気少女漫画。「僕みたいな顔は、キュンキュンする話のオファーは来ないじゃないですか。そっちは福士蒼汰君だったり、溝端淳平君。ピュアな感覚を表現できる機会はこの作品以降、ないと思ったからこそひかれた」。

 幅広い役柄にピッタリはまって演じる鈴木は、“イケメンすぎない俳優”と呼ばれる。「確かに…」とうなずいてからちゃめっ気たっぷりに「失礼な人だな!」。そして、怒るまねをした後でケラケラ笑った。大人の落ち着き、子供のような無邪気さ。目を見張る七変化は体重だけではない。さまざまな表情を瞬時に浮かべる姿は魅力にあふれている。

 ◆鈴木 亮平(すずき・りょうへい)1983年(昭58)3月29日、兵庫県生まれ。06年に東京外国語大を卒業し、演技学校「アクターズクリニック」で故塩屋俊氏に師事する。同年、テレビ朝日「レガッタ~君といた永遠~」でドラマデビュー。14年のNHK連続テレビ小説「花子とアン」で吉高由里子演じるヒロインの夫を好演し注目された。趣味はボクシング。

続きを表示

この記事のフォト

2015年11月1日のニュース