【下町ロケット】三たび池井戸作品 TBS日曜劇場の本領 骨太に「夢」描く

[ 2015年10月18日 11:10 ]

「下町ロケット」の主演を務める阿部寛(C)TBS

 俳優の阿部寛(51)が主演を務めるTBS日曜劇場「下町ロケット」(日曜後9・00)は18日、2時間スペシャルでスタートする。

 原作は同局「半沢直樹」などで知られる池井戸潤氏の直木賞受賞作。宇宙科学開発機構の元研究員で、実家の町工場・佃製作所を継いだ佃航平(阿部)がロケットのエンジン開発に情熱を注ぐ姿を描く感動エンターテインメント巨編。池井戸氏原作をドラマ化した「半沢直樹」「ルーズヴェルト・ゲーム」を手掛けた脚本・八津弘幸氏、演出・福澤克雄氏が三たびタッグを組んだ。

 航平の娘・利菜にNHK連続テレビ小説「まれ」のヒロインを務めた土屋太鳳(20)佃製作所の経理部長・殿村直弘に立川談春(49)佃製作所の技術部長・山崎光彦に「TEAM NACS」の安田顕(41)航平の元妻・和泉沙耶に真矢ミキ(51)佃製作所の特許訴訟を担当する弁護士・神谷修一に恵俊彰(50)日本の宇宙航空分野を代表する大企業・帝国重工の宇宙開発事業部長・財前道生に吉川晃司(50)帝国重工社長に杉良太郎(71)らという豪華キャスト。

 ドラマは種子島宇宙センター、ロケット発射の場面から始まる。7年後、航平(阿部)は佃製作所の経営者として第二の人生を送っているが、ロケット開発の夢をあきらめ切れない。ある日、佃製作所は大手取引先・京浜マシナリーから突然、取引中止を宣告され、資金繰りが困難に。さらにライバル企業のナカシマ工業から特許侵害で訴えられ、窮地に陥る…。

 帝国重工による純国産ロケット開発も並行して描かれるが、佃製作所との“関係”が明らかになるのは第1話終盤。胸躍るプロローグとなる。

 メーンキャストはもちろん、佃製作所への融資を渋る白水銀行のイヤミな融資課長に春風亭昇太(55)ナカシマ工業の“敵役”に池畑慎之介(63)橋本さとし(49)と憎たらしいキャラクターの配役が絶妙。それぞれが熱演で応える。

 スケール感あふれ、かつ人間の機微を映し出す福澤演出が冴える。「半沢直樹」でおなじみになった顔のアップ“顔芸”も随所に。

 テーマの1つはロケットへの「夢」。日本一のコックを夢見た青年を描いた4月クールのヒット作「天皇の料理番」と重なる。やはり骨太な作風はTBSの日曜9時に合う。

 10月3日から朝日新聞で始まった池井戸氏の連載小説「下町ロケット2」を、ドラマ後半で映像化。ドラマと新聞連載の同時進行という異例の試みも注目される。

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