内野聖陽 トルコとの絆の架け橋に「次の世代に誇れるような作品を」

[ 2015年7月9日 16:08 ]

映画「海難1890」クランクアップ会見に出席した(左から)忽那汐里、内野聖陽、ケナン・エジェ、夏川結依

 俳優の内野聖陽(46)が主演する日本・トルコ友好125周年映画「海難1890」(12月5日公開、監督田中光敏)のクランクアップ会見が9日、都内のホテルで行われ、内野、ヒロインを演じた忽那汐里(22)をはじめ、トルコ人俳優ケナン・エジェ(34)、夏川結依(47)らが出席した。

 125年前に和歌山県串本町沖で遭難した「トルコ軍艦エルトゥールル号海難事故」と、その95年後にイラン・イラク戦争の最中、テヘランでトルコ人が航空機を飛ばして日本人を救出した「イラン・テヘラン在留邦人救出事件」を題材した両国の「絆」を描いた物語。

 撮影は昨年12月に日本でクランクインし、5月末にトルコパートの撮影を終え、無事にクランクアップした。エルトゥールル号事件で、トルコ人たちを救った医師役の内野は「東の日本と西のトルコがこんなにも友情があるのが奇跡。他者を思う気持ち、家族を思う気持ち、そういうシンプルな思いが彼らを突き動かしたのかなと思う。この作品を通して、世界の人々に伝わったらとてもステキだと思う」とあいさつ。事件についても「トルコの方は少学校の教科書に載っているぐらい、歴史的事件として捉えていて、親日的だと聞いた。逆に日本人は知らないなと。いい機会なので、次の世代に誇れるような作品を作りたいと思った」と続けた。

 共演したトルコ人キャストについて「寒い京都での撮影で、大変だったんですけど、寒いとか、帰りたいという人は一人もいなかった。大丈夫?って聞いたら“Niceto meet you”と言われてびっくりしたぐらい。国の威信を背負ってきてるんだと感じて、日本人代表としても負けられないなと強く思った」。

 トルコでの撮影では、トルコ人、在留邦人を含めて500~600人のエキストラが撮影に参加した。2役を演じ、両国での撮影に参加した忽那は「文化の違いとか、いろんな壁を乗り越えながら、この作品を作ることができて、誇りに思う」。イスタンブールでは「撮影の合間に、街を歩いていると、日本人ということに気づかれて、皆さんが映画の撮影をされていることを知っていて、本当に暖かい言葉をかけていただいた」。

 エルトゥールル号事件の現場となった串本町でのロケも敢行。串本町では「とにかく歓待がすごかった。この方々のご先祖さんなら助けるよねって思った」と内野。初めて和歌山県を訪れたという夏川は「世界遺産もあるような場所で撮影させてもらって、間近で見せていただいた。泊まっているホテルで露天風呂に入っている時に、トルコの方がキャッキャキャッキャいいながら、修学旅行生のように楽しんでいるのがうかがえて、露天風呂はちょっと楽しかったです」とエピソードを明かした。

 会見には、トルコ側の職人が設計し、日本側の職人が復元1/16・8のミニチュアで登場。安倍晋三総理大臣やトルコのエルドアン大統領のビデオメッセージも届けられた。

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