「天皇の料理番」満足度1位のワケ「1クール終了もったいない」

[ 2015年6月28日 09:00 ]

多くの視聴者の涙を誘った「天皇の料理番」第9話の1場面。病に伏す周太郎 (鈴木亮平)は父(杉本哲太)母(美保純)に看病される(C)TBS
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 TBSテレビ60周年特別企画・日曜劇場「天皇の料理番」(日曜後9・00)が好調だ。21日放送の第9話は平均視聴率16・7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と番組最高を記録。TBSの60周年記念大作とあって、明治から大正期の街並みを再現したリアルなセットやフランスロケなどこだわりの映像を見せる場面は多いが、その部分だけに頼らない“ストーリー重視”に徹底していることも多くの視聴者を満足させている理由だろう。いよいよ天皇陛下の料理番となった篤蔵(佐藤健)。28日の放送を含め、あと3回の展開から目が離せない。

 データニュース社(東京)が行う「テレビウォッチャー」(対象3000人)の番組満足度で「天皇の料理番」は第9話まで平均が4・12(5段階評価)を記録。高満足度の基準3・7を大きく上回り、今期トップ。視聴者の声に耳を傾けると、まずは俳優陣への称賛が目立つ。

 「健君の熱さが気持ち良い」(50歳・女性)「主人公の佐藤健もうまいけど、妻役の黒木華の演技がピカイチ」(56歳・女性)「黒木さんの演技が好き」(39歳・女性)「鈴木亮平が本当に死んでしまうのではないかと思わせる演技で感心した」(68歳・女性)と、主人公の佐藤健はもちろん、篤蔵を優しく見守る妻、兄を演じた2人の評価が極めて高い。

 ストーリー展開の小気味よさも好評だ。「展開が早くて、いろんな出来事を楽しみに見ていられる」(45歳・男性)「1クールで終わるのはもったいない」(40歳・男性)「パリ編も、もっと長くやってほしかったくらい面白い」(25歳・女性)など、出し惜しみすることなくサクサクと進む展開も視聴者を引き付ける理由のようだ。

 第9話で篤蔵の兄・周太郎(鈴木亮平)が亡くなり「息を引き取るシーンはとても切なくて涙が出ました」(46歳・女性)「篤蔵の兄が亡くなるシーンでは思わず号泣してしまった」(56歳・男性)など、多くの視聴者が目を潤ませ、満足度は同ドラマ最高で、今年放送されたプライムタイム(午後7~11時)のドラマの中でもトップの4・34を記録した。

 ここまで盛り上がると、難しいのは着地点。ストーリーは今後、関東大震災、戦争、戦後の復興期へと進むが、特に太平洋戦争中と戦後の食糧不足の時代をどうやって篤蔵は乗り切ったのか。そして晩年は…。視聴者それぞれが、それぞれの話を想像して、放送に臨む。それもまた楽しみの一つである。

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