寂聴さん療養後初テレビ出演「90年なんて本当に短い」

[ 2015年5月14日 20:13 ]

瀬戸内寂聴さん

 胆のうがんなどで昨年5月から療養していた作家で僧侶の瀬戸内寂聴さん(92)が14日に放送されたNHK「クローズアップ現代」に出演。療養後テレビ出演は初となる。

 寂聴さんは昨年5月末に腰部の圧迫骨折で約1カ月入院。8月下旬に再入院した際の検査で胆のうがんが見つかった。寂聴さんが自ら手術を決断。京都市内の病院で摘出手術を受け、法話や講演、執筆などの仕事を休んでいた。

 10カ月に渡り寝たきり状態が続き、ペンも握れなかった。一時は「生きているのが嫌になった」と思ったほどだったが、リハビリを経て再び執筆活動や法話などを再開した。「うつになるんです、あまり長く寝ていると」と寝たきりだった頃の心境を説明。「これを直さないと私は病気に負ける」と心から直すことを決意したという。文章を書けなかったものの、本を読むことはできたことから、「一生懸命本を読んで、小説のことを考えて、だんだんうつに打ち勝っていきました」。

 15日には93歳の誕生日を迎えるが、90年超の人生を「90年なんて本当に短い」と表現。「いろんな恋愛をしたって(相手は)みんな死んでるし本当にあっという間」と振り返ったが、「一番何が残るか、それがまだわからない」という。「それは死ぬ時に書きますよね、書けなかったら口で言います、何が残ったかって」とチャーミングに笑った。

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2015年5月14日のニュース