又吉「火花」は最後2作品に残る…最終投票「2―3」高い評価

[ 2015年5月14日 19:33 ]

お笑いコンビ「ピース」の又吉直樹

 第28回三島由紀夫賞(新潮文芸振興会主催)の選考会が14日、都内のホテルで行われ、三島由紀夫賞の候補5作品に選ばれていた、お笑いコンビ「ピース」又吉直樹(34)の中編小説「火花」は受賞を逃した。三島賞は上田岳弘さんの「私の恋人」が受賞したが、会見した選考委員の辻原登氏は、又吉の「火花」も授賞作に劣らない高い評価を受けたことを明かした。

 候補5作品のうち、まず、岡田利規さんの「現在地」と高橋弘希さんの「指の骨」が脱落。さらに「5人が5様に徹底的に評価」した結果、続いて滝口悠生さんの「愛と人生」が選考から外され、最終的には挙手による投票で3―2で「私の恋人」に決まったという。

 辻原氏は「火花」について「漫才師という特異な世界を描いているが、読むうちに我々をグイグイと物語を引き込むような力があった」。「我々が表現したことがないようなすばらしい表現があった」と高く評価した。

 2作品の同時受賞も提案したことを明かし、「今でも、2作受賞すればよかったと思っている。きっと三島賞がおもしろくなったのに」との思いも吐露した。会見では受賞作以上に「火花」についての質問が相次ぎ、辻原氏は落ちた理由を問われ、「落ちるはずのない作品が落ちた。欠点は思いつかない。逆に言うと面白すぎるからかもしれない」と絶賛の言葉を並べた。

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2015年5月14日のニュース