アンナ侮辱ソングで逆提訴　甲斐氏は無関係主張「キレイだから違う」

[ 2015年4月28日 06:10 ]

　主演舞台の中止をめぐり、約３０００万円の損害賠償を求める民事訴訟を起こされている女優、土屋アンナ（３１）が２７日、舞台監督の甲斐智陽こと高橋茂氏（６３）を名誉毀損（きそん）で“反訴”していたことが分かった。高橋氏が作詞作曲し、動画サイトに公開した楽曲「ＡＮＮＡ」で名誉を傷つけられたとし、約１０００万円の損害賠償と謝罪広告を求めて提訴した。

　訴状によると、高橋氏は昨年２月２５日ごろ、「ＡＮＮＡ」を作詞作曲。同３月３日ごろ、自ら演奏して歌唱する姿を動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開。歌詞には「アンナおまえは、厚化粧のその顔のしわを隠してスター気取ってるけどみんなもうバレてるぜ」「才能のかけらもない、最悪女」などのフレーズが入っていた。

　当時から、土屋と高橋氏は、主演舞台降板をめぐって係争中だったことなどから、土屋側は「ＡＮＮＡ」や同曲の歌詞にある「アンナ」は、土屋を指す表現であることは疑いないとして、昨年１２月１９日に提訴した。

　高橋氏はこの日、東京地裁で開かれた口頭弁論で、土屋側の損害賠償請求について「棄却を求めます」と主張。閉廷後、報道陣の取材に対応し、「ＡＮＮＡ」について、「しょうもない女だねっていう歌」と説明。音楽仲間とレコーディングし、知人が「実在の人物とは無関係です」という一文を添えて、音源をユーチューブで公開。弁護士の助言で、すぐに削除したという。

　歌詞については、「スッピンになるとシワだらけみたいなのがあるけど、アンナさんはキレイだから違うんじゃないの」と言い、さらに「アンナなんてごまんといる。土屋だけじゃない」「本人と特定したわけじゃないのに名誉毀損なんておかしい」と反論。「誹謗（ひぼう）中傷でなく、シャレで面白いなと。表現の自由と思ってたけど、私だと思って聴けば腹は立つかもしれない」と話した。

　今後は、高橋氏が土屋に損害賠償を求めている裁判と、土屋が訴えている裁判が同時に審理され、次回は７月１３日に開かれる。高橋氏側からの土屋に対する証人申請について、裁判長は次回までに採否を決めたいとした。これまで土屋は一度も法廷に姿を見せておらず、申請が認められれば、次回公判以降に初めて直接対決することになる。

　≪土屋のトラブル経過≫
　▼２０１３年７月２９日　土屋の稽古不参加を理由に、舞台「誓い～奇跡のシンガー」の中止を発表

　▼８・９　舞台主催者の製作会社「タクト」と高橋氏が、土屋と所属事務所に３０２６万円の損害賠償を求めて提訴

　▼１４・２・２５ごろ　高橋氏が「ＡＮＮＡ」というタイトルの楽曲を制作

　▼３・３　第３回口頭弁論。裁判長から和解の提案も、両者は拒絶の姿勢。土屋出廷せず

　▼１２・１５　第４回口頭弁論。裁判所が、土屋側が高橋氏側に２００万円を支払うという和解勧告案を提示。土屋側は受け入れる意向を示したが、高橋氏側は拒否。

　▼１２・１９　土屋が高橋氏に対して約１０００万円の損害賠償を求め提訴

　▼１５・４・２７　２件の訴訟を併合し、口頭弁論。土屋出廷せず