中村小山三さん死去、94歳 中村屋を支えて90年、歌舞伎界の生き字引

[ 2015年4月7日 06:31 ]

中村小山三さん

 現役最高齢の歌舞伎俳優で、女形の中村小山三(なかむら・こさんざ、本名福井貞雄=ふくい・さだお)さんが6日午前11時24分、虚血性心不全のため東京都内の病院で死去した。94歳。東京都出身。

 4歳で三代目中村米吉(のちの十七代目中村勘三郎)に入門して歌舞伎界入りし、1926年に中村小米の名で初舞台。中村蝶吉を経て48年に中村しほみと改名し、名題に昇進した。59年に二代目中村小山三を襲名。古風な女方として、そして古参の弟子として中村屋を三代にわたって支え、十七代目勘三郎には「俺が死んだときは小山三を棺桶に入れてくれ」と冗談まじりに表現されるほど絶大な信頼を得ていた。

 テレビのドキュメンタリー番組で子供だった中村勘九郎(33)、七之助(31)兄弟を献身的に世話する姿が話題となり、歌舞伎ファン以外にも注目を浴びた。著書に自伝「小山三ひとり語り」がある。

 4月1日に東京・浅草で開幕した「平成中村座 陽春大歌舞伎」の出演者に名を連ねたが、体調不良で休演していた。

 葬儀・告別式は9日午前11時から東京都中野区中央2の33の3の宝仙寺で。喪主は歌舞伎俳優の中村勘九郎と七之助。

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