フジ 世界柔道で失態 連日決勝中継をCMで中断

[ 2013年8月29日 06:00 ]

世界柔道選手権第2日、男子66キロ級決勝でアザマト・ムカノフ(右)に一本勝ちした海老沼匡

 世界柔道で日本代表が2日連続で金メダルを獲得した中、中継局のフジテレビがいずれの決勝も中継をCMで中断させる“失態”があった。特に28日朝は中断中に66キロ級の海老沼匡(23)が一本勝ち。歓喜の瞬間を生で伝えることができなかった。

 中継番組はいずれの日も午前3時55分にスタート。27日の高藤(たかとう)直寿(20)の決勝は同5時32分に始まったが、同34分に番組が終了。CM後の同35分に始まった「めざましテレビ」内で中継が再開されるまで約1分間、視聴者は試合を見ることができなかった。高藤は中継再開後、相手に指導が与えられ、優勢勝ちを収めた。

 一方、28日の海老沼の決勝は同5時29分に開始。海老沼が左肘を痛め、試合時間残り1分となった緊迫の場面で番組は打ち切られた。この日も約1分間の中断後「めざましテレビ」内で中継が再開されたが、映像が会場に切り替わった時、すでに試合は決着。海老沼はコーチと抱き合って喜んでいた。試合を決めた大内刈りのシーンは録画で紹介された。

 番組は27日の視聴率が1・8%(関東地区、ビデオリサーチ)。同局広報部は「視聴者から苦情が寄せられているという情報は今のところありません」としている。

 連日の“失態”だが、民放テレビ局にはスポンサーとの契約事項があるため、CMをどこで流すか難しい判断を迫られるのも事実。他局の民放局員は「番組開始時に流すという契約のCMもある。今回のケースは不運としか言いようがない」と説明。一方、別の民放局員からは「同じ失敗を繰り返したのが問題。中継を軽視しているとみられても仕方がない」との厳しい声もあった。

 同局広報部は「今後は視聴者の方にご迷惑をお掛けしないようにしたい」としている。

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