海老蔵 団十郎さんとの思いで尽きず「目を閉じれば父の笑顔 一生の宝物」

[ 2013年2月27日 14:46 ]

市川団十郎さんの遺骨とともに葬儀・告別式の会場に入る長男の海老蔵

 3日に66歳で亡くなった歌舞伎俳優の十二代目市川団十郎さんの葬儀が27日、東京都港区の青山葬儀所で営まれた。喪主で長男の市川海老蔵(35)は、団十郎さんがパソコンに残した辞世の句「色は空 空は色との 時なき世へ」を読み上げ、「父が自分の最後を悟っていたのを気づかずに大変申し訳なく、情けない思いがしました」と声を震わせた。

 両親を若くして亡くした団十郎さんは、2度の白血病を患うなど短くも波乱の生涯だった。海老蔵は「辛いことがあるにもかかわらず我々家族の前では明るい父でした」としのび、「初めて父とお酒を飲んだ時、11代目団十郎とそういう時間を過ごしたことがなかったために“孝俊(海老蔵の本名)、とても嬉しいよ。幸せだよ”と言ってくれたことが思い出に残っています」と時折、言葉をつまらせながら語った。

 人工呼吸器をつける前の最後の会話はテレビ電話だった。浅草公会堂で出演中だった海老蔵は画面に映る父を「呼吸が辛くしゃべるのも困難だったが、私とテレビ電話がつながった時、見えた顔はとても優しく、いつもと同じ笑顔でした。目をつぶるとその時の父の笑顔がまぶたに焼き付いています。これは本当に一生の宝物です」と話した。

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2013年2月27日のニュース