尾崎豊“伝説の夜”横浜アリーナライブが映画化

[ 2012年10月10日 12:17 ]

91年5月20日に横浜アリーナで約2年半ぶりにライブを行った尾崎豊さん

 没後20年を迎えた歌手尾崎豊さん(享年26)のライブが初めて劇場公開される。「復活 尾崎豊 YOKOHAMA ARENA 1991.5.20」というタイトルで12月1日から上映。91年5月20日に横浜アリーナで行われた約2年半ぶりの公演で構成されており、これまでほとんど世の中に出てこなかった貴重な映像が盛り込まれている。

 88年9月の東京ドーム公演以来となる復活ライブで、生涯最後の全国ツアーの初日の模様を収めた作品。約2時間半のステージを18台のカメラで収めた映像、それをフルデジタル処理など最新技術を施して編集し、上映する。ツアーの映像商品はすでに販売されているものの、初日の模様はごく一部しか収録されなかったため貴重な映像だ。音源も最新の音響設備に合わせた加工を施す。

 尾崎さんのプロデューサーだった須藤晃氏(60)は「日本のロック史上に大きな影響を与えた伝説のパフォーマンスを大音響の中で皆さんで体験していただきたい」とコメント。現在もスタッフらと公開に向けて編集作業を続けている。

 横浜アリーナの公演は、当時を知る関係者が「唯一、人間・尾崎が見えた」と極度の緊張ぶりを明かす伝説のライブ。覚せい剤取締法違反で逮捕されるなど苦しんだ私生活を改善して臨んだステージで「久しぶりだね」と短くあいさつ。やまない歓声の中、1曲目の「FIRE」からエンジン全開で「卒業」「I LOVE YOU」など次々とヒット曲を熱唱。健在ぶりをアピールした。

 製作のきっかけは9月に都内で開催された展覧会「尾崎豊特別展 OZAKI20」。須藤氏は「若い人が多くて、大きなスクリーンで尾崎豊が見たいと直接言われた」という。フィルムコンサート実現のために署名活動するファンの存在も知っており、その思いに応える形で「もう二度と体験できないと思われた驚がくのライブを、もう一度なんとか実現できないか」と準備を進めてきた。

 公開日にもこだわった。尾崎さんの誕生日が11月29日で「その週に公開したかった」(関係者)という。東京・有楽町のTOHOシネマズ日劇ほか全国の映画館で2週間限定で上映される。

 ≪昨年ドラマ放送≫尾崎さん関連の映像作品では、昨年、テレビ東京が初めてその生きざまを描いたドラマ「風の少年~尾崎豊 永遠(とわ)の伝説~」を放送。須藤氏が尾崎さんとの思い出をつづった著書「尾崎豊 覚え書き」が原作で、成宮寛貴(30)が尾崎さんを熱演した。このほか、生前のライブDVDなど多数発売されている。

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