東北復興願い…西田敏行、チータと涙の合唱

[ 2011年6月12日 06:00 ]

映画「星守る犬」の初日舞台あいさつを行った(左から)玉山鉄二、西田敏行、川島海荷、水前寺清子

 映画「星守る犬」が11日、全国公開され、都内の劇場では主演の西田敏行(63)、玉山鉄二(31)、川島海荷(17)が初日舞台あいさつを行った。東京の町工場に勤める中年男性が、リストラに遭い、愛犬と北に向かって旅する物語。東日本大震災で被害の大きかった福島県いわき市、宮城県東松島市でも撮影が行われた。

 震災から3カ月。西田は福島県郡山市出身でもあり、「撮影に協力していただいた東北3県の皆さまに、お礼とお見舞いを申し上げます」と神妙にあいさつ。約650人で満員の客席を見わたし「ここには福島を支援してくださった方もいらっしゃるのではないでしょうか。感謝します」と頭を下げた。

 同県いわき市では、西田が「生まれて初めて行った海」という永崎海岸で、昨年9月上旬にロケ。スクリーンにはきれいな砂浜が映し出されるが、3月11日に津波で壊滅的な被害が出た。現在も立ち入れない状況で、西田は製作スタッフに「いつになったら子供たちが海岸で遊べるのか」と、寂しそうに話したという。

 この日は、西田が劇中で口ずさむ「三百六十五歩のマーチ」を歌う水前寺清子(65)がサプライズで登場。西田は感激の涙を流しながら合唱した。震災前の東北の美しい景色がつまった作品。♪一日一歩、三日で三歩…の歌詞も復興への歩みと重なる。西田は「みんなで居心地のいい日本にしていきましょう」と呼び掛けた。

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2011年6月12日のニュース