ふくい舞 米NYで熱唱「トモダチ作戦」に感謝

[ 2011年5月24日 06:00 ]

 米ニューヨークのセントラルパークで22日(日本時間23日)、東日本大震災の復興支援を目的としたライブイベント「JAPAN DAY」が開催された。日本から歌手のふくい舞(26)が参加。「トモダチ作戦」などさまざまな形で支援をしてくれている米国民に対し、ふくいは感謝の気持ちを込めて歌唱。市民から日の丸に応援の寄せ書きもしてもらい「被災地へ届けます」と約束した。

 ふくいのしっとりとした歌声にNY市民の足が止まった。最新曲「いくたびの櫻」は桜の再生を描いた作品。桜に重ねて日本の再生への思いと、支援を惜しまない米国への感謝の気持ちを込めて歌った。

 リズムに乗り体を揺らす黒人男性をはじめ、涙を流す地元在住の日本人女性ら観衆4000人は思い思いに聴き入った。学生のヨン・ヴァンデルブールさん(25)は日本語が分からないが「音楽は言葉というバリアを乗り越えられると感じた。感謝の気持ちが伝わった」と拍手を惜しまなかった。

 震災後、NYでは音楽やアートを通じたチャリティーイベントが多数開催されており、ふくいは「たくさん支援をしてくれた米国の皆さん、ありがとうございます」と英語であいさつ。さらに「桜は厳しい冬を乗り越えて必ず花を咲かせます。日本も困難な状況ですが、必ず克服できると思います」と力強く続けた。

 「JAPAN DAY」はもともと日米の文化交流を図るイベントで、今年は震災のチャリティーに変更。「頑張れ!JAPAN!」がコンセプトで約3万人が来場。Tシャツなどチャリティーグッズの全収益が寄付される。

 会場では“米国の父”も見守った。ふくいは高校時に米オハイオ州に1年間留学。ホストファミリーの父親だったジョン・ワトソンさん(61)が駆けつけ「ファンタスティック!こんなに歌がうまいとは。マイの参加でより素晴らしいイベントになったね」とねぎらった。NYで歌うことは当時からの夢だったという。

 歌唱後、持参した日の丸に市民のメッセージを集めた。30分間で100人以上の寄せ書きがあり、ふくいは「責任を持って被災地へ持って行きます」と約束。花見ができなかった被災者にせめて歌で桜を届けるつもりだ。

 ≪オノ・ヨーコさんもエール≫公園に隣接するアパート「ダコタハウス」は故ジョン・レノンさんとオノ・ヨーコさん(78)の住居として有名。今も住むオノさんはイベント会場に「(日本の)この試練は地球全体の挑戦。1人じゃない。みんなでより良い世界を創(つく)りましょう」とメッセージを寄せた。

続きを表示

2011年5月24日のニュース