[ 2010年8月11日 06:00 ]

05年6月、ウィーン国立歌劇場音楽監督室で筆者のインタビューに答える小澤

 筆者は小澤がウィーン国立歌劇場の音楽監督当時(02年9月~10年6月)、現地で彼が指揮するオペラ公演を幾度か鑑賞し、05年には監督室でインタビューを行ったりもした。音楽の都の象徴たるこのポストが小澤の音楽に深みやウィーン風の陰影を加味させるなどの大きなプラス効果をもたらした半面、重責からくるプレッシャーとウィーンでの1人暮らしによって、彼の体力や生気が大幅に奪われていたことも隠しがたい事実であった。しかし、この日のリハーサルにおける指揮ぶりはその失われた生気がかなり戻ってきたことを実感させるものであった。

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2010年8月11日のニュース