青木玲子さん「目が覚めた」女優魂に再点火

[ 2010年4月14日 06:00 ]

第18回スポニチ文化芸術大賞。記念の盾を手にポーズをとる優秀賞の青木玲子さん

 【スポニチ文化芸術大賞】優秀賞を受賞した2年前の同じ舞台には「劇団東宝現代劇75人の会」のメンバーとして出席したが今回は堂々の1人。青木玲子さんは開会前は「ドキドキしちゃう」と緊張した様子だったが、壇上ではキリリと胸を張った。50年以上にわたり女優道を進んできたキャリアがにじみ出た。

 女優・森光子(89)とともに舞台「放浪記」に2000回以上出演。名脇役として「放浪記」とともに歩んできた。「今の私があるのも森さんのおかげ」。そんな感謝の気持ちを込めて、2年前に森から贈られた帯を締めて受賞の喜びをかみしめたが、さらにうれしい瞬間が待っていた。「玲子ちゃんのご受賞は私にとっても大変うれしいお知らせ。ご主人の児玉さんと二人三脚で頑張っていらっしゃったご褒美ですね」と森からのサプライズコメント。「ちょっとうるっときちゃいました。私は本当に幸せもの」と、舞台を見つめていた、夫で東宝現代劇俳優の児玉利和(75)と目を合わせた。
 5、6月中に予定されていた「放浪記」は森の体調を考慮して中止に。「放浪記をやるという強い気持ちでここまでやってきた。だから心に穴が開いた感じ」と落ち込んだ時期もあったというが、今回の受賞をきっかけに「目が覚めたわ」と女優魂が再点火した。実は森からは東京の自宅にも電報が届き、この祝福がさらに気持ちを奮い立たせたという。「“また一緒にやりましょう”って。森さんとだったら何をさておいてもやらせていただきます」。森とともに自分が育ってきた舞台に立てる日が来るのを心待ちにしている。

 ◆青木 玲子(あおき・れいこ)1933年(昭8)7月12日、東京都生まれ。劇作家で東宝専務だった菊田一夫氏が設立した劇団東宝現代劇の第1期生。57年「モデルの部屋」で初舞台。「放浪記」で第13回菊田一夫演劇賞を受賞した。その他の出演作品に「恍惚の人」「がしんたれ」「おもろい女」「浅草瓢箪(ひょうたん)池」など。趣味はピアノ、三味線(長唄)、日舞。

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2010年4月14日のニュース