ブレない美輪明宏さん受賞は「世の中が進化」

[ 2010年4月14日 06:00 ]

第18回スポニチ文化芸術大賞。カメラの前でポーズをとる(前列左から)峯岸みなみ、渡辺麻友、高橋みなみ、青木玲子さん、美輪明宏さん、前田敦子、大島優子、板野友美 (後列左から)松井咲子、倉持明日香、仁藤萌乃、宮澤佐江、柏木由紀、篠田麻里子、北原里英、高城亜樹、指原莉乃、宮崎美穂

 さまざまなジャンルで活躍する人・団体、作品を本紙が友情と共感を込めて選ぶ「第18回スポニチ文化芸術大賞」の贈賞式が13日、東京・文京区の「東京ドームホテル」で行われた。グランプリに輝いた歌手で俳優の美輪明宏さん(74)は「芝居や歌ではなく、書いたものを評価していただいた」と貫禄のあいさつ。優秀賞を贈られた女優の青木玲子さん(76)は「ただただうれしい」と感激の表情を見せ、人気アイドルグループAKB48は華麗なパフォーマンスを披露し会場を盛り上げた。

 「ほとんど戦いの歴史でした。昔“なぜ、あなたは強いのか”と聞かれ“半分女だからよ”と答えたことがありました。私がこのように評価されるのは世の中が進化したからです。日本はどんどん良くなって来ています。今回はコラムでの受賞ですが、私の歌やお芝居もぜひご覧ください」。美輪さんは大きな花束を胸に受賞の喜びを語った。
 贈賞式前の会見では隣のAKB48に「私をいじめないでね」とニヤリ。「お会いできてうれしいです」とあいさつされると「私もよ。きょうは秋葉原に行かなければいけないかと思ったわ」と返し、笑いを誘った。
 報道陣の「AKB48を知っていますか?」という問いには「よく知っていますよ。だって、同じ年齢ですもの」とジョークで即答。AKB48に対し「審査員に秋元康さんがいますが…?」との質問が飛ぶと「秋元さんの1票だけでは選ばれません。他の先生方の満場一致があったからこそ。あなたたちの実力ですよ」とフォローした。
 「彼女たちは可愛い。平和の時代の良い顔をしています。終戦後は人を突き落とすようなたけだけしい顔の人がたくさんいました。最近はハンカチ王子、ハニカミ王子、浅田真央さんのように礼節をわきまえ、言葉遣いも丁寧で、謙虚で明るく、親孝行という若者がたくさんいる。私は大好きですよ」と、今の時代の象徴としてのAKB48を評価した。
 自らのグランプリ受賞も、時の流れがあったからこそ。デビュー以来、主張は変わらないのに昔は「生意気」と批判されたり無視され続けた。
 「ありがたい時代になりました。私が昭和32年にクローズアップされて以来、袋叩きの目に遭って怖い物がなくなり、誰はばかることなく自分の意見を言って来られました。それが良かったのではないでしょうか」と、受賞の喜びをかみしめていた。

 ◆美輪 明宏(みわ・あきひろ)1935年(昭10)長崎市生まれ。国立音大付属高校中退。17歳で歌手デビュー。「メケメケ」(57年)「ヨイトマケの唄」(66年)がヒット。俳優としても故・寺山修司さんの劇団天井桟敷の旗揚げ公演(67年)に主演し、以後、演劇、リサイタル、テレビ、ラジオ、講演などで幅広く活躍。97年の舞台「双頭の鷲」のエリザベート王妃役で読売演劇大賞優秀賞を受賞。著書に「紫の履歴書」「愛と美の法則」など。

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2010年4月14日のニュース