米芸能界覆う“薬物汚染”に警鐘鳴らすため…

[ 2010年2月9日 09:41 ]

 米人気歌手マイケル・ジャクソンさんの急死で、検察当局が、ジャクソンさんの専属医だったマーレー医師の訴追に踏み切った背景には米芸能界を覆う深刻な“薬物汚染”の実態がある。米国では芸能人やセレブによる薬物絡みの事件・事故が絶えず、当局は有名医師の訴追により薬物の安易な処方や使用に「警鐘を鳴らす狙い」(米メディア)だ。

 薬物による事故死では、2008年1月にニューヨークの自宅で遺体で見つかった俳優ヒース・レジャーさん=当時(28)=の例が有名だ。映画「ブロークバック・マウンテン」に主演、将来を嘱望された若手俳優の急死はさまざまな憶測を呼んだが、結局、痛み止めなど複数の処方薬摂取による中毒死と判明した。
 07年2月に死亡した元有名モデルのアンナ・ニコル・スミスさん=当時(39)=の件では、生前に過剰に薬物を投与していたとして元恋人の弁護士と医師2人の計3人が訴追された。昨年12月に32歳で急死した女優ブリタニー・マーフィーさんの死因も薬物の過剰摂取が一因と疑われている。
 問題はこうした薬物のほとんどが、医師の処方によるという点だ。医師によっては「金さえ出せば簡単に処方せんを書く」(米ジャーナリスト)ともいわれ、当局は今回の訴追でこうした風潮に歯止めをかけたい意向とみられる。(共同)

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2010年2月9日のニュース