“吉本50円公演”閉鎖決定高校に1000人

[ 2009年12月28日 06:00 ]

50円新喜劇で訪れた松本松南高校の青山誠校長(前列右から2人目)や在校生(前列3人)とともに記念撮影に臨んだ(後列左から)石田靖、山田花子、池乃めだか、未知やすえ、藤井隆

 吉本新喜劇50周年を記念して、ギャラ50円で上演する「50円新喜劇」が27日、本年度で閉校になる長野県松本市の女子校・松本松南高校で開催された。最後の卒業生となる3年生110人を含む観衆1000人は、初めて生で見るドタバタ劇に大爆笑。座長を務めた石田靖(44)は「みんなにとって一生ものの新喜劇。喜んでもらえて誇りに思う」と感激の面持ちだった。

 「後輩のいない3年生110人を笑って卒業させてやってほしい」という青山誠校長の投書が決め手となり、応募1180通から選ばれた同校。会場の体育館には生徒のほか保護者やOGら約1000人が詰めかけた。
本場の雰囲気を
 長野県ではかつて新喜劇が上演されたことがなく地上波放送もないが、開演を告げるおなじみの♪ホンワカパッパ~…の音楽が流れると、本場・大阪のなんばグランド花月をしのぐ大拍手が。
 開演後も「森三中」や藤井隆(37)、池乃めだか(66)ら、人気お笑い芸人の繰り広げるドタバタ劇に「思ってたよりも面白い」と女子高生は手をたたいて大ウケ。閉校の寂しさを忘れたように笑顔を咲かせた。
 生徒会長の飯島沙江さん(18)が「今まで長野で見られなかった新喜劇を間近で感じさせていただき、忘れられない思い出を残してくれた」とあいさつ。さらに「出演料の50円と私たちと吉本のみなさんの“ご縁”を表現した」と、5円玉10枚をあしらった生徒手作りの首飾りが贈られると、出演した13人の芸人は満足そうな表情を浮かべた。
石田座長も満足
 報酬は一式で50円とあって、出演者は日帰りであわただしく長野を離れることになったが、石田は「笑いを通じて縁ができたことを誇りに思います」と笑顔。共演の未知やすえ(46)は「30年前、芸人を目指して一生懸命頑張ってた自分の高校のころを思い出した」と感動していた。
 企画統括を務めたよしもとクリエイティブ・エージェンシーの松本啓邦氏は「ホッとした。見たことのない人に面白がってもらえて冥利(みょうり)に尽きる」と感慨。「会社が許すなら」と、“再演”の可能性もほのめかしていた。

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2009年12月28日のニュース