ワッハ上方、ミナミ存続も…集客面で“重い課題”

[ 2009年12月28日 11:16 ]

大阪府立上方演芸資料館(ワッハ上方)が入居するビル

 大阪府立上方演芸資料館(ワッハ上方)が“笑いの聖地”大阪・ミナミで存続することが決まり、移転に反対していた文化人らは一様に胸をなでおろした。だが橋下徹知事は「現地存続で年間40万人集まらなければつぶす」との姿勢を崩しておらず、集客面で重い課題を負わされた。活性化の決め手はあるのか。

 ワッハには落語家や講談師、放送関係者らが貴重な衣装や番組映像、音声資料を提供している。そうした関係者の多くが移転に反対してきた。
 「ミナミは上方文化の歴史がある場所。そこで存続できてほっとしている」と講談師の旭堂南陵さん。ワッハを運営する「ニューウエーブ大阪」の西村嘉郎理事長も「府民の貴重な文化財産である演芸番組や資料の散逸を防ぐことができ、良かったと思う」とコメントした。
 現地ビルの所有者で、2011年度からワッハの運営に携わる意向を示す吉本興業は、近隣の劇場「なんばグランド花月」などと連携して集客力を高めるとしている。
 同劇場はお笑いブームに乗って連日多くの客を集めており、劇場の演目とワッハの展示を連動させたり、劇場との共通入場券で誘導したりするなどの策も考えられる。放送局側も施設を活用した番組作りなどで集客を支援したいとしている。
 移転をめぐる“すったもんだ”が、ワッハを「生きた資料館」へと変身させる契機になるかもしれない。

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2009年12月28日のニュース