しっかり“舞台構成” 酒井被告の涙が意味するもの

[ 2009年9月18日 06:55 ]

保釈され、報道陣の前に向かうとき、一瞬、笑顔を見せる酒井法子被告

 保釈の際、薄化粧をし、黒を基調としたシックな服装で姿を見せた酒井法子被告。その後の会見では、時折、涙を浮かべて謝罪の言葉を口にした。その涙、心情は果たしてどんなものだったのか。表情、服装などから酒井被告の複雑な胸の内を、臨床心理士の八幡洋氏が分析した。

 保釈時から化粧をし直し、黒のスーツ姿で会見場に現れた酒井被告。涙を見せたのは、ビクターエンタテインメントの三枝照夫社長から「契約解除」という言葉が出たときだった。
 八幡氏はこの点に注目。「苦楽をともにした事務所の人の話や、息子さんのことに触れたときではなく、活動面の制限の話になった時にポロポロとなった。何よりも自分のタレントとしてのキャリアが大切であるかのようで、ちょっと違和感を感じた」と分析。
 八幡氏は酒井被告がタレントとしての再起を見込んでいると指摘。「やたらと“もうしません”“立ち直る”と言っていた一方で、業界関係者に対して“恩返し”という言葉を使い、前向きな話が多かった。罪を償うというより、良くも悪くも復帰を見越しているという感じが否めない」と話した。
 会見の前、逮捕から40日ぶりに保釈された際の服装、行動には「謝罪の場に合わせての演出、計算が働いていたのだろう」と分析。
 前日、保釈時にジーンズをはき、何度も横を向いていた夫の高相被告に比較。「中途半端に頭を下げ、キョロキョロしていた高相と違い、黒を基調とした落ち着いた色の服装でためらうことなく真っすぐに歩き、深々とおじぎをしていた。高相が度胸のない大根役者なら、酒井は謝罪表明を舞台としてとらえ、構成していたのでは」と説明する。
 また、東京湾岸署を後にする際には、ファンから声を掛けられ笑顔を見せたが「罪を犯した者として受け取っておらず、今後もステージに立ち、ファンに囲まれるという意識があるのではないか」。赤色系のワンボックスカーで移動したことについても「ダーティーイメージを払しょくし、車の色にも女性らしさを感じさせようとしているのでは」との見解を述べた。

 ◆八幡 洋(やはた・よう)1958年(昭33)1月3日生まれの51歳。人格障害を専門にカウンセリングなども行っている。西武文理大の非常勤講師としても活動中。

続きを表示

2009年9月18日のニュース