坂本龍一動いた!9年半ぶりドラマテーマ曲

[ 2009年7月30日 06:00 ]

 世界的音楽家の坂本龍一(57)が、9年半ぶりにテレビドラマのメーンテーマを手掛けることになった。フジテレビの開局50周年を記念した大型作品「不毛地帯」(10月スタート、木曜後10・00)の主題曲。今月16日にフランス政府から芸術文化勲章「オフィシエ(将校)」を受勲後、初の書き下ろし作品となる。

 「教授」の愛称で知られる坂本が“将校”として初めて手掛ける楽曲が決まった。
 メーンテーマを手掛ける「不毛地帯」は、フジテレビが開局50周年を記念して、10月から半年間(2クール)にわたって放送する大作ドラマ。これまでに累計434万部を売った山崎豊子さんの同タイトルの大ベストセラー小説が原作だ。
 終戦から驚異的な復興を遂げた高度経済成長期の日本が舞台。シベリア抑留から復員した男が商社マンとして再びビジネスという“戦場”に身を投じ、戦争体験との葛藤(かっとう)を抱えながら世界を相手に戦う姿を描いた物語。主人公を唐沢寿明(46)が演じる。
 同局が坂本に音楽制作を依頼したのは2年前。長部聡介プロデューサーは「不毛地帯をドラマにしようと考えた時から坂本さんと思っていた。作品で描かれる終戦から30年という時間的長さと重さ、戦争と経済復興、家族という多面的テーマに加え、そのスケール感をすべて背負える音楽となると普通の音楽家では成立しないと思った」と経緯を説明。どんな形でかかわれるかを直接本人と交渉した結果、自らメーンテーマを書き下ろすことになった。
 坂本にとって、ドラマの主題曲を手掛けるのは00年4月から放送された日本テレビ「永遠の仔」のテーマ「LOST CHILD」以来9年半ぶり。関係者によれば「永遠の仔」の時と同様、硬質で深みのある作品内容に快諾したという。
 今月16日、尊敬する作曲家クロード・ドビュッシーを生んだフランスで受勲後、最初の書き下ろし作品となるだけにかなり力が入っている様子。いまも書き上げている最中のため、曲のタイトルが決まるのもこれから。来月10日にレコーディングを行う予定だ。

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2009年7月30日のニュース