異例の勧告受け 日テレ8月に虚偽証言「検証番組」

[ 2009年7月30日 19:08 ]

 岐阜県の裏金をめぐる日本テレビの報道番組「真相報道バンキシャ!」の虚偽証言問題で、NHKと民放でつくる放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送倫理検証委員会は30日、番組の取材態勢に問題があったと指摘し、日本テレビに検証番組を全国で放送するよう勧告した。2007年に発足した同委員会が勧告を出すのは初めて。

 日テレは勧告を受け、検証結果を8月16日の番組で伝えるとともに、17日未明に検証特別番組を放送することを明らかにした。ただ「視聴者の支持を得ている」などとして番組は今後も続ける方針。
 勧告は、証言の裏付けをせずに放送した取材態勢について「幹部と現場スタッフが切り離され、チームとして機能していなかった。責任が空洞化している」と、組織構造上の問題を指摘した。

 問題の放送は昨年11月、匿名の男の証言に基づき岐阜県が裏金づくりをしていると報じた。その後、県の調査などで虚偽証言と判明。番組で謝罪し、今年3月に社長が引責辞任した。男は業務妨害罪などで今月、有罪判決を受けた。

 ▼砂川浩慶・立教大准教授(メディア学)の話 バンキシャ問題は放送局の制作態勢が問われている。制作会社からスタッフを雇うのはやむを得ないが、チームとして機能しなかった。放送局、制作会社それぞれのスタッフが対等に意見を言い合えるようにならないといけない。今回は氷山の一角で、日テレだけの問題ではない。放送界が今後どう取り組んでいくかが問われている。

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2009年7月30日のニュース