マイケルさんの遺言書発見、父は相続対象外

[ 2009年7月2日 06:00 ]

 25日に急死した米歌手マイケル・ジャクソンさん(享年50)の遺言書が見つかった。10億ドル(約960億円)とも言われる遺産を、母キャサリンさん(79)と3人の子供たちに分与し、残りを慈善事業へ寄付するという内容。確執があったとされる父ジョセフさん(79)は相続対象から外された。また、遺体は米カリフォルニア州の邸宅「ネバーランド」で現地時間3日、一般公開されることが決まった。

 AP通信などによると、遺言書は02年7月に作成された。キャサリンさんを自身の子供3人の後見人とし、遺産を計4人に分与することが記されている。急死直後から子供3人の養育権を「最優先事項」と公言してきたジョセフさんの名は記されていなかった。
 マイケルさんは、キャサリンさんとの関係は良好だった一方、ジョセフさんに対しては幼少時から仕事に駆り立てて虐待したとして敬遠していたとされる。
 遺言書の執行人には、マイケルさんの顧問弁護士を80年から06年まで務めたジョン・ブランカ弁護士らを指名。同氏は遺言書の作成時にも助力したとみられ、偶然にもマイケルさんが急逝する1週間前に再び顧問弁護士になるよう依頼されたという。
 まだ遺言書は裁判所に提出されておらず、遺族側が本物かどうか調べている最中。遺産管理に絡んで遺族側は29日、裁判所に「遺書はない」と報告し、キャサリンさんが遺産の管理人になる申し立てを起こしていた。しかし、遺言書の効力が認められれば、遺族側の申し立てが退けられる可能性がある。
 AP通信が入手した07年3月時点の米会計事務所の資料によると、総資産はビートルズやボブ・ディランらの曲に関する著作権の約3億9000万ドルをはじめとした計5億6800万ドル(約545億円)。負債の3億3100万ドルを差し引いた純資産は2億3700万ドル(約228億円)だった。ただ、著作権の価値を20億ドルと算定する専門家もおり、急逝後に見つかった未公開作品などでさらに資産は増えるため、米メディアは「負債の全体像も含めて純資産を把握するのは困難」との見方で一致している。

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2009年7月2日のニュース