仲代を圧倒!!“香取座頭市”気迫の殺陣

[ 2009年5月19日 06:00 ]

撮影を終え花束を手に笑顔の仲代達矢

 山形県鶴岡市内で行われていたSMAPの香取慎吾(32)の主演映画「座頭市 THE LAST」の撮影がこのほど、終了した。最終日はクライマックスとなる市と敵役・天道の一騎打ちで、香取は天道役の仲代達矢(76)と鬼気迫る殺陣を展開。ベテランの仲代も「大きく若い座頭市に圧倒された」と驚くほどの演技で、2カ月にわたる撮影を締めくくった。

 雪を頂く月山を背にしたセットの屋敷を、ピンと張りつめた空気が包む。市が悪事を尽くす天道の家に乗り込んでくるシーン。仲代が振り下ろした刀を、間一髪でよける香取。目をつむっての演技とは思えない身のこなしだ。
 阪本順治監督(50)から「OK」の声が出ると、少しずつ目を開けて笑顔。撮影終了を祝う拍手の中、血だらけの衣装で監督から花束を受け取った。「この2カ月間、市として生きることができてとても幸せでした」とあいさつ。「見えていなくても仲代さんの一振り、一振りはとても大きく感じました」と迫真の殺陣を振り返り、がっちり握手を交わした。
 撮影が始まった3月15日から、東京・羽田空港と山形・庄内空港を18往復した。「あと20往復はできます」と笑ったが、テレビ番組の収録などと並行する厳しいスケジュールだった。市の準備を始めたのは昨年6月。「主軸は市で、その間にSMAPになっていた」と言うほど没頭した。
 殺陣師の菅原俊夫さん(68)の指導のもと、常に仕込み杖(づえ)を持ち歩き、控室やホテルの部屋で練習。菅原さんは里見浩太朗(72)北大路欣也(66)らと仕事をしてきた大ベテランだが、香取について「稽古場に目を閉じて入ってくるなど、市になりきっていた。時代劇のエースになれる」と絶賛した。
 70年の映画「座頭市あばれ火祭り」で勝新太郎さんと共演した仲代からも「素朴で大きくて若い座頭市に圧倒された」と賛辞。香取は照れたが、仲代は台頭してきた“次代の時代劇スター”を頼もしそうに見つめた。
 「目を閉じていても相手の表情が分かるようになった」と香取。最後は「ありがとうごぜえやした」と市のセリフで約100人の共演者、スタッフに感謝した。公開は来年。

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2009年5月19日のニュース