【大学スポーツ】明大スポーツ新聞部

明治大学【対東大1回戦】“継なぐ”打線で大量得点

[ 2017年4月9日 05:30 ]

対東大1回戦   明大6―2東大 ( 2017年4月8日    神宮 )

5回に適時二塁打を放った逢澤(C)明大スポーツ新聞部
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 投打で粘りを見せつけた。今季の命運を占う初戦。宮台(東大)とのエース対決は、齊藤大将投手(政経4=桐蔭学園)に軍配が上がった。5回に5つの四死球を皮切りに5得点を挙げると、6回以降は3番手・外尾和也投手(文3=佐賀西)がリードを守り切り6―2で快勝。戦後初のリーグ戦3連覇を懸けたシーズンは、順調な滑り出しを見せた。

 “継なぐ”打線で大量得点を決めた。0―0で迎えた5回。ここまで明大打線を2安打に封じていた宮台が乱調。四死球により2死から4人連続で出塁すると、押し出しで1点を先制した。満塁の好機で、打席には4番・逢澤崚介外野手(文3=関西)。狙いを定めていたという直球を強振すると、白球は中前へ。一塁を駆け抜け二塁を踏むと、左手を大きく突き上げガッツポーズ。2点を追加する中前適時打となった。今季オープン戦から4番を任されている逢澤。この打順に定着するのは野球人生で「初めて」だ。佐野恵太選手(平29商卒=現DeNAベイスターズ)や牛島将太選手(平29営卒=現JR九州)など、恵まれた体格とパワーを兼ね備えた打者がクリーンナップに名を連ねた昨年とは打って変わり、目立った長距離砲のいない今季。「『4番』とか『クリーンナップ』という感覚ではなくて、つながって回れればいい」(善波達也監督)と、あくまでも、つなぐ打線を重視するオーダーで開幕戦に臨んだ。指揮官の思惑通りに逢澤が起用に応え、さらに5番・越智達矢外野手(営3=丹原)の連続適時打もあり、一挙5得点。打線がつながりリードを広げた。

 この日スタメン9人中6人を左打者が占めた明大打線。5大学共通に左投手が中心になることを考え、今春は左腕対策を行ってきた。この日はチーム全員で、打席ではベースにできるだけ近づくことを徹底。内角へ投げづらくさせることと、外角の球の見極めを可能にした。その策が実り、宮台から選んだ四死球は7つ。一貫した打撃練習が功を奏し、難敵攻略に成功した。

 一皮剥けた3年生右腕が大車輪の活躍を見せた。オープン戦で好投を続けていた外尾が満を持してリーグ戦初登板。6回2死満塁でマウンドに上がると、わずか3球で相手打者を併殺に切って取る好救援をみせた。危なげなくピンチを切り抜け、反撃を許さなかった。昨冬に習得したツーシームと得意のフォークで東大打線を翻弄(ほんろう)。「(ツーシームは)打たせて取る感じで有効に使えている」(外尾)と手応えもある。層の厚い現在の明大投手陣の中でも頭一つ抜きん出ている外尾。この春に積み重ねてきた実績から第2先発としての起用の可能性も大だ。いずれにせよリーグ戦で重要な役割を担うことは間違いない。

 今季エースナンバーを背負う齊藤大将投手(政経4=桐蔭学園)は久々の先発登板となった。5回を無安打に抑える圧巻の投球を披露した。しかし6回に4連打許し降板。エースとして迎える初めてのリーグ戦に、緊張感も手伝って「焦ってストライクを取りにいってしまった」。序盤が良かっただけに悔やまれる結果だった。「もっと引っ張っていけるように」。今後に向けてギアを上げていく。

 代替わりにより顔ぶれを一新させた明大。先日までのオープン戦で負け込んでいた中、幸先良く勝ち星をつかめたのは朗報だ。「勝ち試合で多くの反省点が見つかった。本来ならここまでミスがあって勝てることはない。」(中野速人主将・法4=桐光学園)。初戦の一勝には多くの課題と収穫が詰まっている。長いリーグ戦を戦い抜くため、まずは連勝で勝ち点をつかみ取り、チームに弾みをつける。

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