ロッテ・朗希が抱く“ぶれない”メジャーの夢「世界一の投手」へ米国野球の環境の中で学び、もまれ、成長を

[ 2024年1月28日 05:30 ]

佐々木は筋トレ中の吉井監督を訪ね、笑顔でツーショット(球団提供)
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 ロッテ・佐々木の公の場での発言は、昨年11月19日のファン感謝デー以来だった。難航した交渉中のため、口を開けない状況だったが、ネット上には早期のメジャー挑戦へ批判的な声も広がった。

 日本で一度も規定投球回をクリアしていない右腕が、時に中4日での登板も迫られる大リーグで勝負するのは時期尚早。そうした声が支配的だった。だが複数の関係者によれば、佐々木にはプロ入り前から胸に描いていたプランがあるという。

 佐々木自身、現時点で米1年目から先発ローテーションを守り、150イニング以上投げられると思っているわけではない。目標である「世界一の投手」になるための準備、成長を、日本ではなく米国で進めたい。この日も「メジャーリーグ以前に、野球選手としてレベルが高いところでプレーしたいと思っていたし、自分自身もっともっと成長したいと思っている」と高い向上心が自然とこぼれ出た。

 「日本一の投手となってからメジャーへ」という従来の姿ではなく、よりレベルの高い米国野球の中で学び、もまれ、成長する。生活環境や言語などにもなじんでいきたい。メジャー球団も、まだ20代前半の右腕に1年目からフル回転など求めはしない。球数、イニングなど制限しながら、まだまだ成長していく育成段階の右腕として獲得に動くはずだ。

 過去の名選手たちが歩んだ道筋を求める一方的な固定観念が、いわれなき誹謗(ひぼう)中傷につながった。この日の謝罪の言葉からも分かる通り、佐々木は困惑し、悩み、パドレス・ダルビッシュらにも相談を寄せていたという。

 一日も早くメジャーへ行きたい、という佐々木の夢はぶれていない。球団は毎年、メジャー挑戦について話し合ってきたことを明かした。入団時から佐々木の人生設計プランに耳を傾け、一定の理解を示していたのは確かだろう。少なくともこのオフ、急に移籍希望を訴えたわけではない。

 ≪吉井監督と対面「頼むで!」≫球団広報部の公式X(旧ツイッター)によると、佐々木はトレーニングに本拠地を訪れていた吉井監督とも対面した。指揮官から「おー、朗希頼むで!」と声を掛けられ、「精いっぱい頑張ります」と答えたという。会見後に色紙に「優勝」の2文字を記した右腕は早速、グラウンドに出ると、雲一つない青空の下、約1時間ほどキャッチボールなどで汗を流し、「マリン最高です!」と笑顔を見せた。

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