ロッテ・朗希 キャリアハイの誓い…初2桁白星でメジャーへの道切り開く、会見は異例の謝罪スタート

[ 2024年1月28日 05:30 ]

契約更改を終え、会見する佐々木(撮影・長久保 豊)
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 ロッテの佐々木朗希投手(22)が27日、前日に12球団大トリで現状維持となる年俸8000万円の単年で契約を更改したことを受け、ZOZOマリンで会見。改めて将来的なメジャー挑戦の希望を語り、入団時から球団と話し合いを継続していることも明かした。早ければ今季終了後にもポスティングシステムで海を渡る可能性がある最速165キロ右腕は、目標を自身初の2桁勝利となる「キャリアハイ」に設定した。

 キャンプインまで1週間を切った中、前日に駆け込みで契約を更改。一夜明けての会見は異例の形でスタートした。緊張した表情で登場した佐々木は冒頭で「公の場で自分からコメントを出す機会がなかったので、ご心配をおかけしてしまった」と謝罪。改めて「将来的にメジャーリーグでプレーしたい思いはある」と語り「まずはしっかりと目の前のシーズンをプレーすることが大事」とプロ5年目へと視線を向けた。

 代理人を通したメジャー挑戦を巡る交渉。22年オフには23年シーズン後のポスティングシステムによるメジャー挑戦を球団側に要望するなど早期挑戦を目指す佐々木側と球団の交渉が長期化した。ここまで契約更改がずれ込んでも本人や球団の経過説明がなかったことも、さまざまな臆測を呼んだ。会見前には松本尚樹球団本部長が報道陣に「佐々木がわがままを言っているとか、ごねたりとかは全くない。球団側に至らぬ点とか落ち度があった」と説明。会見後には「途中経過を言えばよかった」と反省した。メジャーでは25歳未満かプロ6年未満の海外選手はマイナー契約しか結べない「25歳ルール」があるが、移籍を認めるタイミングについては「分からない。将来的にという話。その都度オフは話し合いましょうという感じ」と語るにとどめた。

 佐々木は会見で「入団当初からメジャー挑戦の夢は球団に伝えていた」とも明かし「じっくり時間をかけて話し、お互いしっかり納得する形で契約できたと思ってます」と強調した。メジャー挑戦の時期に関しては明言を避けたが「毎年コミュニケーションは取ってやっている。球団にも理解してもらっているという認識」と明かす。早ければ今季終了後にもメジャー挑戦が実現する可能性はある。

 そのためにはチームを優勝に導くような活躍が不可欠。22年の9勝が自己最多で、昨季も7勝止まりだった佐々木は、今季目標を自身初の2桁勝利となる「キャリアハイ」とした。入団から4年間、先発の軸としてローテーションを守った経験もないだけに、規定投球回のクリアも貢献度の一つとなる。

 「しっかりチームを勝ちに導けるようにやっていけたら」と佐々木。自身もファンも胸のつかえは取れた。「令和の怪物」は強い決意を胸に、春季キャンプに向かう。(大内 辰祐)

 ≪年俸は現状維持8000万円≫佐々木は年俸について「同じぐらいです」と明かし、現状維持の8000万円で合意した。4年目の昨季は15試合に登板し、7勝4敗、防御率1.78。「交渉自体は代理人の先生を通して、やらせてもらった」と話した右腕は左脇腹肉離れなどでの3度の離脱が響き、アップ査定とはならなかった。

 ▽25歳ルール 大リーグでは16年以降、25歳未満かプロ6年未満の海外選手はマイナー契約しか結べなくなった。ヤクルト・村上は25歳となる25年シーズン後のメジャー挑戦を見据え、22年オフに3年総額18億円の契約を結んだ。佐々木が25歳未満で挑戦した場合、ロッテに渡る譲渡金は、契約金が17年オフの大谷と同等の200万ドル(約2億9600万円)だとしても約5900万円にしかならない。

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