霞ケ浦・木村優人 二刀流だ!4回零封&15号 日米スカウト28人集結

[ 2023年7月14日 05:00 ]

第105回全国高校野球選手権茨城大会2回戦   霞ケ浦12―0土浦三 ( 2023年7月13日    J:COMスタジアム土浦 )

<土浦三・霞ヶ浦>力投する霞ヶ浦・木村
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 第105回全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)の出場校を決める地方大会は13日、25大会で継続試合1試合を含む196試合が行われた。茨城大会では今秋のドラフト候補の最速150キロ右腕、霞ケ浦の木村優人投手(3年)が、土浦三戦に先発し4回1安打無失点5奪三振の好投。打ってもソロを含む2安打2打点と、米球団を含む12球団のスカウトが集結するなか二刀流の活躍を見せた。

 しなやかに右腕を振り、顔色一つ変えることはなかった。1メートル85の長身。木村は安定したフォームから最速146キロの直球を武器に、涼しい顔で凡打の山を築いた。4回2死まで無安打投球。1安打を許したが4回無失点とほぼ完璧だった。

 「緊張感はありました。回を重ねるにつれて緊張感、力みがなくなっていた。左打者のアウトコースに決まる直球が良かった」

 最速150キロの関東No・1右腕。NPB11球団に加え、カージナルスも含めた12球団28人のスカウトが集結した。ソフトバンク・福元淳史アマスカウトは「力感なく投げることができ、投球テンポが良い。まだ体の線が細いので、伸びしろがある」と評価した。

 「3番・投手」で出場し、投球で持ち味を発揮。さらに高橋祐二監督が「本人は大谷(エンゼルス)になりたいらしい」というバットでも非凡さを見せた。初回無死二、三塁から先制中前打を放つと、2回1死から右翼ポール際へ高校通算15号となるソロ。「狙ったわけではないけど、良いスイングができた。打った瞬間、感触がよかった」。憧れの大谷と同じ右投げ左打ちの木村は「WBCの活躍もそうですけど、投打で活躍すればチームの雰囲気が上がる。それを目指している」と本家に負けない二刀流の活躍に胸を張った。

 今秋のドラフト候補として注目を浴びるが、まず果たしたい悲願がある。3兄弟の末っ子で長男・翔大(24)と次男・瑛二さん(22)も霞ケ浦で、いずれも土浦日大に敗れて甲子園には届かなかった。「絶対に土浦日大に勝って、甲子園に行きたい。この思いは誰よりも強い」。ともに勝ち上がれば対戦は聖地をかけた決勝になる。(高原 俊太)

 ◇木村 優人(きむら・ゆうと)2005年(平17)6月1日生まれ、茨城県土浦市出身の18歳。2人の兄の影響で1歳から野球を始める。斗利出小では藤沢イーグルスでプレー。霞ケ浦付属中では霞ケ浦付属ボーイズに所属。霞ケ浦では1年春からベンチ入り。1メートル85、80キロ。右投げ左打ち。

 ≪父・信彦さん 聖地は「木村家の悲願」≫観戦した木村の父・信彦さん(47)は「甲子園出場は木村家としても悲願なのでね」と白星発進に目を細めた。長男・翔大は現在、社会人の日本通運で内野手としてプレーしており、きょう14日開幕の都市対抗野球に出場する。翔大も今秋のドラフト候補。ダブル指名の可能性もあり、信彦さんは「恐れ多いが、そうなったらうれしい」と話した。

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