花巻東・麟太郎 ヤクルトが1位にリストアップ!ポスト村上狙う 高校通算140発男「逆襲」の夏

[ 2023年7月14日 05:30 ]

第105回全国高校野球選手権岩手大会2回戦   花巻東11-1盛岡市立 ( 2023年7月13日    きたぎんボールパーク )

<盛岡市立・花巻東>初戦を突破した花巻東・佐々木麟。「逆襲」の夏が始まった(撮影・小海途 良幹)
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 高校歴代最多の通算140本塁打を誇る今秋ドラフトの超目玉、花巻東の佐々木麟太郎内野手(3年)が13日、岩手大会初戦となった盛岡市立との2回戦に「3番・一塁」で出場。3回に今夏初安打となる中前打を放ち、7回コールド発進に貢献した。4打数1安打1四球で本塁打は出なかったが、怪物スラッガーにプロ6球団のスカウトが集結。ヤクルトが1位候補に挙げることが判明するなど、争奪戦のゴングが鳴った。

 アーチを描くことだけが、怪物スラッガーの特長ではない。3回の第2打席。佐々木がフルスイングすると、地をはうようなライナーが中前に飛んでいった。二遊間は一歩も動けないほど。視察したヤクルトの斉藤宜之スカウトは「打球の速さが違う。角度がついていればホームラン」と驚きを隠せなかった。

 実は2週間ほど前に背中を痛め、万全な状態ではなかった。初戦は1安打。高校歴代最多を更新する141号は出ずに試合後の取材対応もなかったが、父の洋監督は「チェンジアップを待ちながらインコースの球(直球)を打てていた」と対応力の高さを指摘した。

 バックネット裏には6球団のスカウトが集結した。西武と日本ハムは既に1位候補としてリストアップ。特に西武は最多の3人態勢で、直々に視察した渡辺久信GMは「魅力的な選手であることは確か。打球が上がるスイングができている」と改めて高く評価した。

 西武は中村や山川、渡部ら巨漢の長距離砲を育成してきた実績があり、体重113キロの佐々木が育つ環境が整っている。日本ハムは佐々木が抜くまで高校通算本塁打記録(111本)を持っていた清宮が在籍。佐々木獲得なら「高校通算100発コンビ」のアーチ競演という夢が膨らむ。

 さらにヤクルトも1位候補としてリストアップしたことが判明し、斉藤スカウトは「1位じゃないと獲れない。これだけ飛ばせるバッターはいない。(大学、社会人を含めて)野手では一番」と称賛を惜しまない。ヤクルトは即戦力投手の1位指名も予想されるが、昨季3冠王に輝いた村上は早ければ2年後のオフにもポスティングシステムを利用してメジャー挑戦する可能性がある。争奪戦に参戦して獲得できれば村上の後継者として期待できる。佐々木にとっても本拠地となる神宮は狭く、本塁打を量産できるメリットがある。

( まだ見ぬ夏甲子園/) 高校最後の夏を迎えた佐々木は大会前、進路について「夏が終わってから今後については考えたい」と話しているが、プロ志望を表明すればドラフト最大の目玉となる。まずは2年時の選抜以来で初めての夏の甲子園出場へ向け、岩手大会を勝ち抜く。(村井 樹)

 ▽今秋のドラフト1位候補 逸材がそろい「超豊作年」とされる。花巻東・佐々木の他にも野手では社会人No.1打者で外野手のENEOS・度会、「打てる捕手」として侍ジャパン大学日本代表をけん引した上武大・進藤ら逸材がひしめく。投手では青学大を全日本大学野球選手権制覇に導いた完成度の高い右腕・常広、最速155キロの直球と多彩な変化球を持つ東洋大の左腕・細野、実績十分で高校No.1投手とされる大阪桐蔭の左腕・前田ら即戦力として期待される選手がズラリと並ぶ。

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