延長に強い広島 坂倉だ堂林だ11回イッキ5点 新井監督「戦いながら成長。頼もしい」

[ 2023年7月14日 06:05 ]

セ・リーグ   広島6―1巨人 ( 2023年7月13日    東京D )

<巨・広>11回、坂倉は2点適時打を放ちガッツポーズ(撮影・篠原岳夫)
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 広島・坂倉将吾捕手(25)が、息詰まる熱戦に終止符を打った。13日の巨人戦で、同点の延長11回に2点勝ち越し打を中前へ。途中出場の堂林翔太内野手(31)も3点左中間二塁打で続いた。投げては、今季初の中5日で5回1失点の九里亜蓮投手(31)からリリーフ6人の継投でゼロを並べ、延長10回を3者凡退に抑えた大道温貴投手(24)が2年ぶりの白星。6―1で下し、カード勝ち越しを決めた。

 チーム一丸で必死に守り抜き、最後の最後に突き放した。延長10回に一挙6点を挙げて大勝した、5月12日の巨人戦VTRを見ているようなゲーム。当日に殊勲打を放った坂倉がまた打った。25歳は破顔一笑だった。

 「来た球を思い切り振ろうと思った。いいポイントで打てたので、抜けてくれと思って走っていました」

 1―1の延長11回。無死満塁の絶好機に松山が一ゴロ併殺に倒れ、落胆ムードが漂う2死二、三塁で勝負強さを発揮した。左腕・大江が1ボールから投じた外角低め直球を振り抜くと、打球は中前へ抜けた。値千金の2点勝ち越し打だった。

 直前9回の打席の反省を生かした。松山が左前打で出塁した無死一塁で、首脳陣の坂倉への指示は送りバントではなく強攻。好機をお膳立てするはずが、同じ左腕・中川の外角高め直球を打って遊ゴロ併殺に倒れていた。

 「バントではなく打たせてくれた中で結果を出せなかった。取り返すというより、整理してもう一回やってやろうと思っていた」

 以降も攻撃の手を緩めない。小園の右前打に羽月が四球を選んだ2死満塁で、途中出場の堂林がとどめの一撃を見舞う。7番手・三上の外角高め直球を強振。左中間を深々と破る走者一掃の3点二塁打とした。言葉には達成感がにじんだ。

 「僕自身、結果が出ていなかったので今日の一本はデカい。羽月が必死につないでくれたので、結果で応えられてよかったです」

 4番・西川が離脱したショックを振り払う2連勝。4位・巨人相手にカード勝ち越しを決めた。新井監督は、ほほ笑みながら「凄い試合だったね。大きいよね。サク(坂倉)がよく打ったし、選手全員で勝ち取った勝利だと思う。戦いながら成長していると思うし、見ていてうれしい。頼もしい」と称えた。

 今季の延長戦はこれで4勝1敗。最後まで諦めず、チーム一丸で粘り強く戦っている証だ。胸突き八丁を乗り越え、盛夏の戦いに挑むナイン。どんな佳境を迎えるか、楽しみだ。(江尾 卓也)

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