東浜さんに1軍で恩返しだ!ソフトバンク 育成選手の重田が胸に秘める決意と飛躍のきっかけ

[ 2023年7月4日 06:00 ]

東浜と自主トレを行う重田(右)(撮影・中村 達也)
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 毎週火曜日にソフトバンクのファーム情報をお届けする「筑後鷹」の第35回は昨年2軍で7勝を挙げた育成の重田倫明投手(27)だ。今季は3、4軍の非公式戦で6勝を挙げ2軍でも好投と猛アピール中。オフに東浜巨投手(33)に弟子入りした影響も大きいという右腕に話を聞いた。

 育成選手にとって勝負の1カ月に入った。今月末の支配下登録期限に向け着実に結果を出しているのが重田だ。3、4軍の非公式戦で6勝。2軍戦では先月24日のオリックス戦(タマスタ筑後)で先発し、5回2失点で2勝目を挙げた。「一日一日をとにかく大事にその中のチャンスをものにして、そこ(支配下)に勝手につながっていければいい」と心境を語る。

 140キロ台の直球にシュートやスライダーなどを駆使する右腕。昨年は2軍で44試合に登板し7勝3敗。イニング数61を上回る69奪三振を記録した。この経験が大きいといい、「引き出しとして今年も出せている感覚はあります。どんなときでもバッターと勝負ができている。そこに関しては手応えがあります」と胸を張る。

 さらに昨年はプロ入り後初めて中継ぎに挑戦したのも幅が広がった。ワンポイントにロングリリーフなど何でも担った。「1イニングを抑える難しさを感じた。凄くありがたく勉強になりました」と投手としてレベルアップした。

 オフは東浜に弟子入りした。昨年は1軍で10勝6敗など「毎年ナオ(東浜)さんがしっかり投げたときは貯金をつくっている。そういう投手はどういうことをしているんだろう」という思いからだった。2カ月間トレーニングとともに同じ屋根の下で寝食をともにした。すべてに関してイチから学んだ。食事の大切さ、気持ちの持ちよう、キャッチボールの仕方、ブルペンでの取り組み。「全体的にレベルアップしないとダメだ」と助言された。また、休日の過ごし方についても息が抜けないタイプの重田の性格を理解し、「ゆっくりしなさいと。息抜きをしっかりしろと逆に言われました」と助言に感謝する。シーズンに入ってからも東浜の1軍の登板はすべてチェックし、何か得ようとしている。

 「その瞬間でベストを尽くせるようにやっていきます」と重田。支配下に上がり、ともに1軍でローテーションを張る。それが恩返しになるはずだ。 (杉浦 友樹)

 ◇重田 倫明(しげた・ともあき)1996年(平8)5月30日生まれ、千葉県出身の27歳。千葉英和では甲子園出場なし。国士舘大に進み18年育成3位でソフトバンクに入団。演歌歌手の新浜レオンは高校時代にバッテリーを組んだ仲。1メートル86、89キロ。右投げ右打ち。

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