仙台育英151キロ左腕・仁田を元審判員記者がジャッジ!ソフトB和田ばり直球&カツオスライダー
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第105回全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)の出場49校を決める地方大会は、全国各地で熱戦が始まっている。昨夏、春夏通じて東北勢初の甲子園大会優勝を果たした仙台育英(宮城)は、14日が初戦。11年から6年間、NPB審判員を務めた柳内遼平記者(32)がフル装備で選手たちの魅力をジャッジする「突撃!スポニチアンパイア」の第6回は、最速151キロ左腕・仁田陽翔(にた・はると)投手(3年)に突撃した。
高校野球史に新たな歴史を刻んだ仙台育英の甲子園優勝から316日がたった。昨年8月23日、深紅の大優勝旗とともに仙台駅に到着したナインは駆けつけた1000人以上の人々から祝福された。大阪から追跡した記者は「こまち25号」に乗車し「白河の関越え」を果たした瞬間が忘れられない。だからこそ、夏の開幕前に「突撃」した。相手は140キロ超投手が13人もいる投手陣で唯一、プロ志望の仁田だ。
グラウンドには名将・須江航監督が考案した有名なスローガン「日本一からの招待」。今夏は右腕・高橋煌稀(3年)、右腕・湯田統真(3年)、仁田と3枚も150キロ超の剛腕をそろえた「150キロトリオ」を軸に夏の連覇を狙う。ブルペンに「プレー!」のコールが響き、対決開始。仁田は脱力したまま左腕をしならせ、快速球が低めに決まった。「直球の質が一番の強み」と言っていた意味が一球で納得できたと同時に、威力に恐怖すら感じた。
2人の左腕が浮かんだ。1人は漫画「ドカベン」に登場する犬飼小次郎。犬の遠吠えのごとくうなりを上げる直球で「鳴門の牙」と呼ばれた。水島新司さんが何本もの集中線を描いた剛球が現実とリンク。もう1人はソフトバンク・和田。審判員1年目の11年に春季キャンプのブルペンで捕手の後ろに立った。静かな動き出しから、リリース直前に出力が一気に100にはね上がる感覚。球速以上に威力を感じるギャップが仁田との共通点だ。
さらに、スライダーもスペシャル。特筆すべきは130キロ台中盤の高速「カツオスライダー」だ。今年2月の鹿児島・枕崎キャンプ。注文を誤り、打撃練習に使用する表面がツルツルしたボールで投球練習するしかなかった。普通に投げればスライダーはすっぽ抜けたが、試行錯誤の末「上から押さえつけるように」と投げ込み、従来より球速のある130キロ台中盤の新球種が完成。かつお節生産量日本一の枕崎で、時速60キロで泳ぐカツオにかけ「カツオスライダー」と命名。とりこになった「カツオのタタキ」にも負けない「おいしい」お土産だった。
夢のプロ入りへ。課題は制球力だ。昨夏、今春の甲子園では4試合、計6回1/3を投げ8四死球。制球力アップに向けて遠投を増やし、体全体で投げ球筋を安定させる感覚を取り戻している。須江監督は以前、「大阪桐蔭さんとかを倒すんだったら、仁田が覚醒しないとダメ」と期待の大きさを表現。「最後の夏は納得できる結果で終わりたい」と誓う仁田は唯一、挑戦権を持つ夏連覇へ、今年も「凄く密」な夏にする。(柳内 遼平)
◇仁田 陽翔(にた・はると)2005年(平17)6月10日生まれ、岩手県大船渡市出身の18歳。猪川小3年から猪川野球クラブで野球を始め、大船渡一中では軟式野球部に所属。仙台育英では1年春からベンチ入り。50メートル走6秒4。遠投100メートル。憧れの選手はロッテ・佐々木朗。好きな言葉は「平常心」。1メートル75、74キロ。左投げ左打ち。
◇柳内 遼平(やなぎうち・りょうへい)1990年(平2)9月20日生まれ、福岡県福津市出身の32歳。光陵(福岡)では外野手としてプレー。四国IL審判員を経て11~16年にNPB審判員。2軍戦では毎年100試合以上に出場、1軍初出場は15年9月28日のオリックス―楽天戦(京セラドーム)。16年限りで退職し、公務員を経て20年スポニチ入社。同年途中からアマチュア野球担当。
≪同郷のロッテ・佐々木朗ら希が憧れ≫仁田は岩手県大船渡市で育った。大船渡からドラフト1位でロッテ入りした佐々木朗に「自分もそういう選手になれるように」と憧れを抱く。小学時代に所属した猪川野球クラブ、大船渡一中では佐々木朗の弟で同学年の怜希とプレー。佐々木は地元に残り大船渡のエース右腕に成長し、春季大会では強豪・盛岡大付戦で投打にわたる活躍で勝利に導くなど成長著しい。幼なじみの躍動に仁田は「本当にうれしかった。小学校から身体能力が高く(活躍は)納得いく感じもあった」。幼なじみの2人に高校での対戦はなく「甲子園で対戦したい」と熱望した。
【取材後記】現場で単独行動の多い記者は取材相手から学ぶことが多い。広島・苑田聡彦スカウト統括部長は「コイツだ!と思った選手には“とことん行きんさい”って他のスカウトには言うとるんですよ」と鉄則を語っていた。範囲の広いアマチュア野球の取材先選定にはバランスを第一としているが、次点でその「金言」を大事にしている。
昨春、福島での東北大会。花巻東・佐々木麟太郎を取材に行ったが、その直前の試合で登板した仁田の投球に目を奪われた。それ以来、仙台に行けば仁田の記事を書き、署名記事は今回で7本目。今春の選抜では2試合で防御率11・57と力を発揮できず迎える最後の夏。苑田スカウト、とことん行ってみます。(アマチュア野球担当・柳内 遼平)
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