北広島で広島が逆転勝ち! 8回2死から龍馬同点打に“切り札”松山が勝ち越し打「食らいついた結果」

[ 2023年6月7日 05:03 ]

交流戦   広島3-2日本ハム ( 2023年6月6日    エスコンF )

交流戦<日・広>8回、勝ち越し打を放ち喜ぶ松山(撮影・高橋 茂夫)
Photo By スポニチ

 広島は6日、広島ゆかりの北広島市に造られた新球場「エスコンフィールド北海道」での初戦で、日本ハムに3―2で鮮やかな逆転勝ちを収めた。1点を追う8回2死から好機を築き、西川龍馬外野手(28)の左前打で同点、代打・松山竜平外野手(37)の左翼線安打で勝ち越した。2番手で7回の1イニングを零封した3年目の栗林良吏投手(26)がプロ初勝利を挙げ、チームは再び貯金1とした。

 広島県人が開拓した北広島市にある敵地エスコンフィールドが揺れる。本拠地マツダスタジアムをほうふつさせる大声援の中、1点を追う終盤8回にドラマが待っていた。2死後、秋山の中前打とマクブルームの四球で築いた一、二塁の好機。西川が“らしさ”を発揮した。

 「2死からつないでくれたので、何とかバットに当てれば…と食らいついた結果」

 3番手の左腕・宮西が西川に投じた5球目が外れ、フルカウントになると、新井監督はマクブルームに代走・曽根を起用。この采配が後に効く。背番号5は粘って9球目の甘い直球を左前へ同点打。一塁走者・曽根は一気に三塁を陥れた。

 投手は右の玉井に交代し、代打の切り札・松山が登場する。カウント1―1からの3球目、内角高めカットボールを詰まりながらも振り抜くと、小飛球は左翼線にポトリと落ちた。値千金の決勝打。三進していた曽根は余裕で生還を果たした。

 「大振りせず逆方向に。その意識があったから、ああいうふうに落ちてくれたかな…と」

 今季のスタメン出場はわずか5試合ながら、早くも4度目の勝利打点。代打成績は19打数7安打で打率・368を誇る。「打てなくてもしょうがない…ぐらいの気持ち。開き直っているから結果が付いてきているんじゃないかな」。37歳。チーム最年長の勝負強さはますます磨きがかかる。

 「いい攻撃だったと思うね。龍馬の気迫というか、本当にナイスバッティング。松ちゃんも難しい球だったでしょ。技術が詰まったスイングだった」

 交流戦3カード目での初戦白星に、新井監督は表情を緩める。本紙評論家時代にNHKのバラエティー番組「鶴瓶の家族に乾杯」に出演し、訪れたことのある北広島。指揮官としての再訪には「すごく立派な球場。あの時、ここには草しかなかった。ここに来たのはそれ以来。しかもユニホームを来て。何もないところを知っているので感動した」と感慨深げに振り返った。

 憂色濃い終盤8回2死からの鮮やかすぎる逆転勝利。順位が大きく変動する可能性がある交流戦で、チームが勢いづくには、これ以上ない勝ち方だった。(江尾 卓也)

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年6月7日のニュース