【虎番リポート】後輩2人の投球からテンポを学んだ阪神・石井、若手の切磋琢磨が救援陣の大きな強みに

[ 2023年5月8日 07:30 ]

キャッチボールを行う石井(撮影・大森 寛明)
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 救援陣の防御率は12球団唯一の1点台(1・69)で、5月の4試合では自責点0。ブルペン陣の盤石さのゆえんが、5日の広島戦で1イニングを3者三振に斬った阪神・石井の「及川や富田の投球から学ぶ部分があった」との言葉に垣間見えた気がした。

 後輩2人に投球のテンポを学んだ、と3年目の25歳右腕は話す。
 「僕は1年目からずっと、マウンド上で考えたり無駄な動きが多いタイプで、去年の首脳陣からもずっと言われていて。2人の投球を見たら、相手の考えがまとまる前に決着がつくのが見受けられた。そこからインスピレーションを受けて」

 もちろん、ただ投げ急げばいいという話ではない。及川は「中継ぎとなると、一球一球しっかり…という立場で、どうしてもテンポが悪くなる経験を(39試合に救援登板した2年前に)した。自分の球に自信を持たないといけないし、今のところは自信を持ってゾーンに投げ込めている」と言う。7日から先発調整のため鳴尾浜に合流した富田も「自分のベストボールを投げきった中で、テンポを良くするということを意識しています」と、思いは共通していた。

 岩崎、岩貞、加治屋の91年組トリオが屋台骨を形成し、K・ケラーとビーズリーの助っ人コンビ、そして石井と及川、富田と若手同士でも切磋琢磨(せっさたくま)を繰り広げる。「全員が投球術を持っているので見ていて凄く勉強になりますし、先輩の方も話しやすくて、考えをいただけることが本当に助けになっている」と石井。及川も「自分も(石井)大智さんを見習う部分はたくさんある。(岩貞や岩崎、加治屋と)経験の差が大きくある中で、そこをどう埋めていくか。ついていけるように、足を引っ張らないようにといった気持ちを、常に持ってやっています」とうなずく。互いを意識し、高め合う。その相乗効果が、阪神救援陣の大きな強みの一つとみている。(阪井 日向)

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