カージナルス・ヌートバー リスにも負けず3安打 打率を3割に乗せる

[ 2023年5月8日 02:30 ]

インターリーグ   カージナルス5ー6タイガース ( 2023年5月6日    セントルイス )

試合途中に乱入したリス(AP)
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 カージナルスのラーズ・ヌートバー外野手(25)が6日(日本時間7日)、本拠地のタイガース戦に「1番・右翼」で出場し3安打を記録。3試合連続複数安打で今季初めて打率を3割(・304)に乗せた。7回はリスがグラウンドに“乱入”する珍事にも動じず四球を選び、規定打席未到達ながら出塁率・442はリーグ3位相当。WBCでも侍ジャパンを活気づけた元気印が、低調のチームを鼓舞し続ける。

 芝生の上を弾むように駆けた。ヌートバーではない。長い尻尾をなびかせた、リスだ。5―5の7回。先頭で打席に入って3球目を待っていた際、スタンドのどよめきに異変を感じた。すぐに左手を挙げてタイムを要求。三塁側から一塁側のファウルゾーンへ逃げていく、愛くるしい後ろ姿を静かに見守った。

 地元中継局の実況は「ラリー・スクワラル(逆転リス)が来たぞ!(相手一塁手の)トーケルソンと話し、彼が何を考えているか一塁塁審に伝えているんだ!」と大興奮。本拠地のファンからもこの日一番の拍手と歓声が起きた。しばらく異様な雰囲気が続いたが、ヌートバーは動じることなく集中を維持。しっかり四球を選んだ。

 日系選手初の日本代表入りを果たしたWBCでも不動の1番だった男は絶好調だ。初回にバント安打で、5回は遊撃内野安打。9回も遊撃内野安打を放ち、全て内野安打で今季3度目の3安打。4日のエンゼルス戦から右足を上げる「レッグキック」からエ軍の大谷と同じ爪先でタイミングを取る「トータップ」に変更し「それがうまくいった」と言う。開幕当初は故障で出遅れたが、これで規定打席未達ながらリーグ3位相当の出塁率・442。併殺崩れで一塁に残った2回は二盗も決めるなど、役目を果たしている。

 同点の9回1死二、三塁では右邪飛を捕球後、本塁にワンバウンド送球で補殺も決めた。チームは延長の末に敗れ、07年以来16年ぶりの8連敗。“幸運のリス”とはならなかったが、今はヌートバーが希望の光だ。

 ≪タイブレークの末に敗れ8連敗≫カージナルスは延長10回タイブレークの末に敗れ、07年9月以来、16年ぶりとなる8連敗となった。米国代表として臨んだWBCでそけい部を痛めた影響で今季初登板となった41歳右腕ウェインライトが5回4失点で降板。同代表でも4番を担ったアレナドが同点の5回に一時勝ち越しの2ランを放ったが、競り負けた。開幕前は優勝候補と目されたが、リーグワーストの借金14で地区最下位。ウェインライトは「連敗を終わらせたかった。失望している」と肩を落とした。

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