虎の村神様に厚い信頼 球団14年メッセ以来の“Wスライド” ミスター・ゼロが新人王へ突っ走る

[ 2023年5月8日 05:15 ]

ランニングする村上(撮影・岸 良祐)
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 6日に続き、7日の広島戦も先発登板が雨で流れる憂き目に遭った阪神・村上は、9日のヤクルト戦(甲子園)へ向かうことが決まった。球団で予告先発が2戦続けて降雨中止となり、次戦に投げるのは14年8月5日のメッセンジャー以来だ。この助っ人右腕は同年、最多勝と最多奪三振の2冠。“Wスライド”は、開幕から25イニング連続無失点中の24歳への岡田監督の厚い信頼をうかがわせた。

 「(中止は)仕方ない。(ヤクルトは)打線も上がってきているし、そこはしっかりと注意する。コースをしっかり突いて投げていければな、と思う」

 そう意気込んだ村上は4月29日の対戦で、ヤクルト打線をわずか2安打に抑え、8回無失点で2勝目を挙げた。ツバメ打線の状態が上向きとはいえ、舞台は狭い神宮から本拠地・甲子園に移る。無傷の3勝目に向け、“ミスター・ゼロ”に恐れるものは何もない。プロ初の聖地での先発に「とてもいいグラウンド。しっかり自分の投球をしたい」と心を躍らせ、「今までなら(登板が)飛んでいた。集中し直して火曜日、迎えられるように」と意気に感じていた。

 プロ3年目ながら新人王資格を有する村上は、現時点で受賞の筆頭候補に挙がる。大崩れする心配が少ない上、今後きっちりとローテーションを守って投げ続ければ、自然と勝ち星も増える。対抗馬にはヤクルト・吉村、中日・福永らの名前が挙がる一方、季節はまだ大型連休が明けたばかり。気が早いのは重々承知ながら、岡田監督も「ローテーションの投手として投げさすわけやから。それでチャンスがあれば獲るに越したことはない」と、孝行息子のさらなる飛躍を心待ちにする。

 「昨日(6日)はあまり寝られなかったので、今日はしっかりぐっすり寝たい」

 確かな成長曲線を描きはじめた背番号41。今季初の甲子園6連戦を最高の形でスタートさせ、実りの秋へと歩を進める。(八木 勇磨)

 ▽新人王資格 海外のプロリーグに参加した経験がなく(ドラフトを経由して入団した選手は除く)、支配下選手に初めて登録されてから5年以内の選手が対象。投手は前年まで1軍での登板が30イニング以内、野手は60打席以内が条件となる。

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