槙原寛己氏が侍ジャパンチェック・野手編 三塁・村上、遊撃・源田、DH・大谷は不動

[ 2023年1月27日 05:10 ]

侍ジャパン全30選手決定

槙原寛己氏
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 WBCに出場する侍戦士30人が決まった。投手は先発から第2先発、中継ぎ、抑えとバランス良く選出。一方で野手は外野が5人で中堅を本職とする選手がいない布陣となった。適材適所で用兵することが必須の短期決戦。WBCの取材経験も豊富なスポニチ本紙評論家の槙原寛己氏(59)が今回のメンバーを分析した。

 【野手編】野手はセンターラインに注目している。まずは捕手。打撃面も含めた総合力で考えれば中村か。肩の強さなら甲斐だが、昨季は打撃の調子が悪すぎた。中村は右打ちなども巧みだし、ロースコアの試合は甲斐でいいが、得点を奪いたい、攻撃的な布陣なら中村だろう。大城は控えで、左の代打として使える。

 内野は山川が選ばれたことでさまざまな起用法が想定できるようになった。3冠王の村上の三塁、源田の遊撃、さらにDHの大谷は不動で、問題は一塁。牧は外せないが、山川の長打力も魅力だ。牧は二塁が本職。そこには山田もいる。山田は昨季は打撃がいまひとつだったが、国際大会にはめっぽう強い。一塁、二塁の2つのポジションを山田、牧、山川で回す形だが、岡本和の打撃も捨て難い。彼も一塁ができるし、悩みどころとなる。

 外野は周東を含めて5人。右翼に鈴木、左翼に吉田、そして中堅にヌートバーと大リーガー3人で固めるだろうが、本職の中堅手がいないのが不安材料か。現時点ではヌートバーだが捕手から二塁、遊撃、そして中堅を結ぶセンターラインはチームの「芯」であり、非常に重要だ。仮にヌートバーでなければ近本(阪神)が選ばれていたはず。外野手同士の連係も大切だし、やはり彼ら大リーガーには1日でも早い合流を望みたい。調整が遅れるようなら、近藤を起用してもいい。出塁率を重視するなら近藤、吉田の存在は武器になる。岡本も外野守備に意欲を見せているのは心強い。

 いずれにしても投手と同様に野手も調整具合をしっかりと見極めたい。3月上旬。春先は投手の調整の方が早いのが一般的で、打者は速いボールに差し込まれたりタイミングが取れなかったり…。こちらも首脳陣の見極めが重要になってくる。固定観念に縛られず、その場その場で臨機応変に対応する。それこそがWBCの、世界での戦い方になる。

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2023年1月27日のニュース