阪神・湯浅 侍内定前に届いていた“WBC仕様グラブ” 世界一を目指す右腕の道具にこめられた熱い思い

[ 2023年1月27日 06:00 ]

湯浅のWBC用グラブ(ザナックス社提供)
Photo By 提供写真

 【記者フリートーク】平裏部(手のひら部分)に日の丸が刺しゅうされたWBC仕様のグラブ。これは実は内定を告げられる12月下旬よりも前に、湯浅の手元に届いていた。

 2年目から用具提供を受け、今年からアドバイザリー契約を結ぶザナックス社との最初の打ち合わせは、侍ジャパン強化試合も開催前だった昨年10月18日だった。まだ何も決まっていない時点で、本来は23年に向けた用具の打ち合わせだった。だが、話題は自然とWBCに…。そして。ザナックス社ベースボール事業部次長の丸井悠平さんは回想する。

 「お互いに選ばれるのが当然ぐらいの感じで発注の打ち合わせに入っていったのを覚えています。本気で選ばれると思って(話題を)投げたら、湯浅も“選ばれてからでいいですよ”じゃなくて、“そうですね…”と」

 実は昨年初選出された球宴で使用したグラブも、まだ実績のない4月上旬の時点で発注をかけていた。今回もしかり。もちろん選ばれる確証はどこにもなく、落選となっていれば“ボツ”となっていた。「選ばれていなかったら会社から怒られる可能性もあるかもしれんけど、彼のモチベーションが少しでも上がるのであれば…と」。刻まれた日の丸には、リスクをいとわないザナックス社の熱い思いも織り込まれている。

 同社のアドバイザリー契約は、代表で背番号22を継承する藤川球児氏も現役時代に結んでいた。「もちろん彼が飛躍していくように、用具を通して全力でサポートしていきたい。うちも湯浅京己に負けないように、一緒に高みを目指していきたいという思いで彼にはアドバイザリー契約をお願いしました」と丸井さん。世界一を目指す熱き右腕と共闘し、全力サポートすることを約束した。(阪神担当・阪井 日向)

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2023年1月27日のニュース