147キロ左腕の仙台育英・仁田 春夏連覇へ覚醒!チームスローガン体現「Just do it」

[ 2023年1月27日 05:00 ]

仙台育英の仁田
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 第95回選抜高校野球大会(3月18日から14日間、甲子園)の出場を決める選考委員会が27日、毎日新聞大阪本社で行われる。明治神宮大会枠を含めて一般選考33校、21世紀枠3校の計36校を選出。昨夏、春夏通じて東北勢初の甲子園優勝を果たした仙台育英(宮城)は、昨秋の東北大会を制し選出を当確としている。最速147キロの東北最速左腕としてプロ注目の仁田陽翔(2年)が「夏春連覇」の鍵になる。

 仙台に舞い落ちる雪を、快速球で切り裂く。最速147キロの左腕・仁田は、1週間に300球の投げ込みで選抜での先発に照準を合わせている。

 「紅白戦でも調子が上がっている。スローガンの通り“Just do it”あとはやるだけという感じです」

 昨夏に果たした東北勢初の日本一。その偉業以上に忘れられない思い出がある。昨秋の明治神宮大会準決勝で、東西のプロ注目左腕対決が実現。大阪桐蔭の最速148キロ左腕・前田悠伍(2年)に6安打4失点で完投勝利を許し、同じく先発した仁田は3回1/3を3安打1失点降板だった。1点リードで得意とする継投策での交代だったが「(前田は)球数が150球を超えても球威が落ちなかった。世代No・1との差を感じた」と4―5の惜敗に唇をかんだ。

 日本一チームとして挑んだ栃木国体、新チームで臨んだ明治神宮大会でも大阪桐蔭に連敗。夏春連覇を目指す選抜でも、同じく選抜出場を当確としている西の横綱が、高い壁になる。

 昨夏までは中継ぎとして継投策の一枚だったが、新チームでは先発転向を直訴。一時期は力配分を誤り、武器の直球が130キロ台中盤にまで落ちることもあったが、秋季宮城県大会、東北大会を経て成長。140キロ台中盤の直球と緩いカーブ、決め球のスライダーで安定感を身に付けた。

 日本一に輝く以前から須江航監督は「大阪桐蔭さんを倒すんだったら仁田が覚醒しないとダメ」と話していた。夏の深紅の優勝旗に続き、紫紺の優勝旗の「白河の関越え」を果たすため。聖地で「覚醒」した姿を披露する。(柳内 遼平)

 ◇仁田 陽翔(にた・はると)2005年(平17)6月10日生まれ、岩手県大船渡市出身の17歳。猪川小3年から野球を始め、大船渡一中では軟式野球部に所属。仙台育英では1年春からベンチ入り。50メートル走6秒4。遠投100メートル。憧れの選手はロッテ・佐々木朗。好きな言葉は「平常心」。1メートル75、74キロ。左投げ左打ち。

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